工学部 電気電子工学科

大澤直樹 研究室

OSAWA NAOKI
LABORATORY

大気圧プラズマによる化学反応で大気汚染物質を分解除去

大気圧プラズマを使うと酸化力の強いオゾンや反応性の高いラジカルを生成できる。これら物質は病院や上下水道などで有機物の分解に利用されている。最近では,排ガス中の窒素酸化物除去やバイオテクノロジーへの応用も期待されている。本研究室では、新しい大気圧プラズマを用いて副生成物の発生を抑制したクリーンなオゾン発生器や、ディーゼルエンジン排ガス浄化のための触媒充填プラズマリアクタの研究などに挑戦している。

キーワード

  • 大気圧プラズマ
  • プラズマ化学
  • 大気汚染防止技術
  • オゾン
  • ラジカル

研究紹介

RESEARCH

空間一様に発生する誘電体バリア放電の発生メカニズムの解明

研究内容

電極間に誘電体(ガラスやプラスチックなど)を少なくとも一枚挿入した状態で電極に交流高電圧を印加すると,電極の間にはフィラメント状のストリーマ放電が多数ランダムに発生する。これまでの研究では,窒素ガス中やヘリウムガス中でのみ空間一様モードのバリア放電が発生するといわれていた。2009年,大澤研究室では,誘電体材料にある種の材料を使用することにより,大気圧空気中や酸素中でも空間一様モードのバリア放電を発生させることに世界で初めて成功した。この研究テーマでは,その新しいバリア放電の発生メカニズムの解明に挑戦している。

大気圧プラズマと脱硝触媒を用いたディーゼルエンジン排ガス浄化法の高性能化

研究内容

ディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物(NOx)の除去には,尿素選択触媒還元(尿素SCR,SCR: Selective Catalytic Reduction)法が実用化されている。この方法では,高温の排気ガスによって動作温度まで脱硝触媒が温められるとNOx除去が可能となる。エンジン始動直後や寒冷地では排気ガスによって触媒を十分温めることができないので,NOx除去性能が低下する問題がある。この研究テーマでは,大気圧プラズマの発生空間に脱硝触媒を充填した触媒充填大気圧プラズマリアクタを用いて,排気ガスの温度が低い状態でもNOx性能が低下しない方法を研究中である。

地球温暖化係数の高い副生成物の発生を抑制した新しい空気原料オゾン発生器の高性能化

研究内容

オゾンは強力な酸化力を持っているので殺菌・消臭などに利用されている。オゾンは3つの酸素原子でできており,自然分解する性質と分解後は酸素に戻る性質がある。とてもクリーンな酸化剤である。オゾン発生の原料に空気(窒素:約80%,酸素:約20%)を使用すると,空気中の窒素と酸素がプラズマ空間で反応するので,オゾンだけではなく窒素酸化物や硝酸などの副生成物も発生してしまう。これまでに,大澤研究室が2009年に発生した大気圧空気中での新しいバリア放電をオゾン生成に使用すると、地球温暖化係数が二酸化炭素の310倍もある亜酸化窒素(N2O)や強酸の一種である硝酸(HNO3)の発生を抑制できることを明らかにした。このテーマでは,この新しいオゾン発生器からの副生成物を更に抑制する方法を研究中である。

気流解析技術を用いた自力消弧形ガス遮断器の設計法の研究

教員紹介

TEACHERS

大澤直樹  准教授・博士(工学)

石川県加賀高校出身

略歴

金沢工業大学工学部電気工学科卒。同大学大学院工学研究科博士課程(電気電子工学専攻)修了。(株)日立製作所電力・電機開発研究所を経て、2007年本学講師就任。2013年現職。

専門分野

専門:大気圧低温プラズマ、大気圧低温プラズマ応用(オゾン生成、排ガス浄化、水処理、高分子材料や炭素繊維などの表面改質など)、高電圧工学、大電流遮断、高電圧絶縁
論文・著書:Generation of Low-Frequency Homogeneous Dielectric Barrier Discharge at Atmospheric Pressure, IEEE Trans. Plasma Scienceほか
受賞:電気学会優秀論文発表賞(2回)、電気学会優秀論文発表賞(基礎・材料・共通部門表彰)
その他専門情報:教育士(工学・技術)、第三種電気主任技術者、電気学会北陸支部 協議員(2009/5-2011/5)、電気学会放電技術委員会 1号委員(2014/4-)

横顔

「学力」だけではなく「コミュニケーション能力」や「行動力」などもバランス良く身につけてほしいと考えています。インドア派です。

趣味

雑談、散歩、美術館巡り、ドライブ、みんなで楽しくお酒を飲むこと

近況

新しい大気圧低温プラズマの発生法やその応用法(オゾンの発生、排ガスの浄化、高分子材料の表面高機能化、バイオ応用など)を研究しています。電力流通機器内で生じる超高圧放電やアーク現象も研究しています。

オリジナルコンテンツ

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