工学部 電気電子工学科

伊東健治 研究室

ITO KENJI
LABORATORY

電波の発生に用いるマイクロ波回路と無線電力伝送技術を研究

衛星通信や携帯電話などの無線通信に用いるマイクロ波回路を研究。無線通信に用いる電波を発生させる発振回路、電波に情報をのせるミクサ回路などマイクロ波回路の高度化は、無線通信の発展に欠かせない。研究室ではこれらの回路の研究とともに、宇宙太陽光発電などに必要な無線電力伝送も研究。無線電力伝送の受電素子に用いるレクテナの開発においては、世界トップクラスの整流効率80%を達成し、最小の実装サイズを実現。

キーワード

  • 無線通信
  • マイクロ波回路
  • 無線電力伝送

研究紹介

RESEARCH

電波を用いてエネルギーを伝送する無線電力伝送

研究内容

電波を用いてエネルギーを伝送する無線電力伝送は、宇宙空間の静止衛星による太陽光発電の電力伝送(SPS)、太陽電池パネルや風力発電機での近距離の無線電力伝送、駐車場などでの電気自動車への充電など様々な応用が検討されている。このシステムを実用化するうえでの課題は、エネルギー伝送の損失の抑制である。伊東研究室で取り組んでいるのは、無線電力伝送システムの受電素子であるレクテナ(アンテナと整流回路を組み合わせた回路)の高効率化である。このレクテナの高効率化のため、国内の企業、大学、本学野口研究室との連携のなかで、様々な取り組みを行っている。まず、アンテナの高インピーダンス化による整流回路の損失の抑制である。アンテナから高電圧・低電流の電波を取り出し、整流素子に流れる電流を抑え、整流素子の抵抗による損失を抑えている。つぎに、整流素子のOFF時容量により生じる漏れ電流による損失を抑制するフィルタの考案を行っている。これらの工夫により、安価なシリコンダイオードを持ちたレクテナとして、世界トップレベルの整流効率を達成している(2013年、新聞記事)。
現在、さらなる高性能化を図るとともに、様々な用途に展開される無線電力伝送システムに対応したレクテナ・整流回路の研究を行っている。

高周波発振回路の低雑音化

ミリ波・THzミクサの高性能化

教員紹介

TEACHERS

伊東健治  教授・博士(工学)

大阪府同志社香里高校出身

略歴

1983年同志社大学工学部電子工学科卒。1997年東北大学工学研究科後期博士課程修了。1983年三菱電機(株)入社、情報技術総合研究所、モバイルターミナル製作所ハードウエア技術部長などを経て、2009年本学教授就任。2017年 IEEE Fellow。

専門分野

専門:マイクロ波工学、主には高周波ダイオードやトランジスタを用いたマイクロ波半導体回路。さらにそれらを用いた送受信機の研究開発。
論文・著書:論文「衛星通信用低スプリアス周波数変換器の研究」(学位論文)など
著書「モバイル通信の無線回路技術(共著)」、「マイクロ波伝送・回路デバイスの基礎(共著)」、「無線通信の基礎技術(共著)」
受賞:第50回電気科学技術奨励賞(オーム技術賞)、2005年度関東地方発明表彰発明奨励賞、2006年度近畿地方発明表彰発明奨励賞、2014年 IEEE MTT-S N. Walter Cox Award受賞
その他専門情報:近年は発振器の位相雑音解析、無線電力伝送用整流回路、ミクサ回路解析の研究を行なっている。

横顔

企業の研究所でマイクロ波回路の研究を行い、その後、事業所において携帯電話の製品開発を行う。その間、仲間と開発した携帯電話は2000万台を超える。マイクロ波半導体回路が専門であるが、製品開発のなかでは、ハードウエア、ソフトウエアを含む製品全般の課題に取り組んできた。

趣味

読書(工学書、山岳書の収集)。ジャズやクラシックなど音楽を聴き、CD/LPレコードを集めること。LPレコードは3000枚を超える。スキー(ゲレンデ、クロスカントリー、山スキー)、登山、ランニング(フルマラソンには3回出場)、渓流釣り、自転車。

近況

研究ではマイクロ波体回路(発振器、ミクサ、整流器)の基本動作の理論化に力を入れている。未だ定式化されていない課題も多く、新たな回路の発案につなげたいと思います。山登りや渓流釣りを通じ、白山山系や犀川水系の美しさに惹かれています。

オリジナルコンテンツ

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