環境・建築学部 環境土木工学科

川村國夫 研究室

KAWAMURA KUNIO
LABORATORY

「崖崩れ」や「地すべり」など地盤災害を分析し人々の安心・安全な暮らしを守る技術を開発する

平成19年3月の能登半島地震、平成20年7月の浅野川豪雨災害など、石川県でも多くの自然災害が発生した。研究室では、特にここ30年間の崖崩れや地滑りなど地盤災害に注目し、住民の安全・安心確保のため、それらのメカニズムや対策を研究して地域への貢献に努めた。これらの研究は、平成23年3月の東日本大震災からの、各自治体の防災計画見直しに、大いに役立てられている。

キーワード

  • 自然災害
  • 地盤災害
  • 地域防災計画

ニュース&トピックス

NEWS & TOPICS

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研究紹介

RESEARCH

北陸地方の地盤災害データベースの構築と社会基盤整備への適用

研究内容

20 年間集積・保存した、数多くの貴重な災害データ(特に、地すべり、崖崩れ、土石流などの地盤災害データ)を、データベース化し、それら崩壊の原因、条件、特徴を整理していく。加えて、このデータベースを道路、河川、住宅、鉄塔などの近傍危険地へ適用すれば、重要な社会資本整備や街づくりの防災面に強く貢献できる。したがって、この予測法を、例えば、緊急輸送道路の安全性確保に適用すれば、道路のり面や道路沿斜面の危険度診断が可能となり、防災面からの維持管理法に強く貢献できる。同様に、住宅に近接する急傾斜地に対する崖崩れ対策、鉄塔など重要構造物やインフラ整備に伴う災害リスク対応など社会基盤整備の多方面に適用が期待できる。

地すべり予知法の提案

鳴り砂の研究

土砂災害に対する避難情報発令に関する検討

研究内容

内閣府が打ち出す避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインの再改訂(平成27年8月)によって各自治体、とりわけ市町はその地域に沿った避難勧告等の発令基準や伝達方法、それに伴う迅速な避難行動などの新たな避難情報のあり方を突き付けられ、具体的なガイドライン作成が余儀なくされたことを受け、市町における土砂災害に対する具体的な避難情報の出し方やそれをバックアップする行政の対策体制についてひとつの試案を独自のフローチャートで提案していく。市町が抱える対応職員人数等の人材面や費用面、時間の制約といった現実的な問題を鑑みなければならず、避難情報の発令等を担うことは現実のままだと限りなく厳しいため、避難情報発令のあり方の試案を繰り返し行っていくことで土砂災害時に役立つ市町の理想的なガイドライン像の確立につながっていく。さらに、この理想的なガイドラインによって行政・住民双方の自助共助ができる防災体制が構築され、ひいては市町の安心・安全につながっていく。

緊急輸送道路ネットワークの耐震性と耐震整備優先度

研究内容

本研究では、土砂災害の脅威を加味した上で、緊急輸送道路ネットワーク内の整備優先度を再決定し、土砂災害の脅威を回避する最優先整備ルートの策定を実施した。現状の緊急輸送道路ネットワーク内における整備優先度、および最優先整備ルートは、道路上の構造物の耐震信頼度のみに基づいて決定されていた。すなわち現状では、緊急輸送道路の寸断原因は、地震動による道路構造物の損壊のみしか想定されておらず、土砂災害による被災は考慮されていなかった。これを受け、本研究では想定寸断原因に道路構造物の土砂災害による被災を盛り込んだうえで再度整備優先度を決定した。これにより、土砂災害の脅威を加味した最優先整備ルートが策定され、能登半島地震時に能登有料道路で発生したような、土砂災害による緊急輸送道路の途絶を防止できる。

教員紹介

TEACHERS

川村國夫  教授・工学博士

愛知県熱田高校出身

略歴

1973年3月岐阜大学大学院修士課程修了。同4月名古屋大学工学部(土木工学)助手・講師を経て、1981年本学助教授就任。1984年現職。

専門分野

専門:地盤工学、土質工学
論文・著書:論文に“prediction of Failure of Earth Retaining Sturucture during Excavation”ほか、著書に「土質・基礎の信頼性設計」、「沿岸環境科学事典」ほか
受賞:運輸省発明開発賞(1996)、技術士(建設部門)(1985)、地盤工学会功労賞(1999)、新潟県中越地震復旧対策検討委員会感謝状(2006)、石川県知事表彰(国土と交通等に関する表彰)(2006)、砂防功労者砂防協会長賞(2007)、土砂災害防止功労者国土交通省大臣賞(2007)、など
その他専門情報:石川県防災アドバイザーとして1996年より2007年まで、計50回以上災害現場に出動し、現場指導と2次災害防止に従事(主な災害として2007年「能登半島地震能登有料道路崩壊復旧検討工法委員長」や「R249八世洞門トンネル復旧工事監視委員長」など)、また、国土交通省防災ドクターも現在歴任中。

横顔

とても多忙な先生で、日本狭しと東奔西走されている。「豪」という字が思い浮かぶ先生です。でも、お体も大事にして下さいね。

趣味

ハイキング、民話と伝説

近況

教育・研究面で「現場に学び、現場に還元する」を痛感します。社会資本とか公共事業のあり方を考える毎日です。2002年、2004年の雪のない年明けに崖崩れ、落石が顕発しました。また、この2004年は新潟・福井豪雨、台風23号、中越地震、2005年は石川県羽咋福水大地すべり、2006年豪雪災害、2007年能登半島地震および中越沖地震等によって大被害が発生しています。石川県防災アドバイザーとして何回も出動しましたが、原因は地震や大豪雨ですが、それに加えて現在の社会基盤の老朽化(とくに、吹付コンクリートや擁壁、堤防、ライフラインなど)が目立ちます。本格的な維持管理の時代への突入ですが、それにしても、これらに多くの予算が付かないことに歯ぎしりしています。安全、安心な社会を築くためにも不可欠な予算ですが。

研究業績

RESEARCH RESULTS

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