工学部 環境土木工学科

鹿田正昭 研究室

SHIKADA MASAAKI
LABORATORY

準天頂衛星みちびきを使って最新の地図を創る研究。地域貢献で小中学生のためのサイエンスセミナーで講師に

カーナビに使われるGNSSの一種であるGPSは高度約2万kmを飛行する衛星からの電波を使って位置を正確に計測しています。研究室では、日本版GPSである「みちびき(QZS)」や電子地図(GIS)、衛星画像を駆使した空間情報解析やリアルタイムで更新できる地図づくりを研究しています。産学官連携で行った地上型レーザー計測マニュアルの作成では、平成29年3月に国土地理院よりマニュアルが公開されました。

キーワード

  • 準天頂衛星システム
  • 地理情報システム(電子地図)
  • 各種GNSSの有効活用
  • 地上レーザー計測
  • サイエンスセミナー(カメリアキッズ)

ニュース&トピックス

NEWS & TOPICS

研究紹介

RESEARCH

準天頂衛星「みちびき」による精度評価

研究内容

位置情報は人々の生活を支える重要な役割を担っています。2010年、日本政府は準天頂衛星システム初号機「みちびき」を打ち上げました。準天頂衛星システムとは日本のほぼ天頂を通る軌道を持つ衛星を複数機組み合わせた衛星システムで、常に1機の衛星を日本上空に配置できるよう、非対称の8の字の軌道を採用しています。平成29年に残りの3機の衛星が打ちあがり、平成30年から24時間常に準天頂衛星からの信号を受信できるようになりました。準天頂衛星はGPS互換信号を持っており「GPS補完」ができるとともに、QZSS独自の補強信号による「GPS補強」の機能を持っています。研究室では準天頂衛星の特徴であるGPS補強を中心として実証実験を行っています。これまでに移動体観測、定点観測など多くの実証実験を行い、準天頂衛星の有効性を検証して国内外の学会で発表しています。

産学連携で行う地上型レーザの精度検証

研究内容

現在、トータルステーションやGNSSなどによる公共測量の方法等を定めた「国土交通省公共測量作業規定」には、地上型レーザ測量は含まれていませんでした。この理由としてレーザ測量技術は誕生してから歴史が浅く、とくに地上型レーザは精度検証を行っていませんでした。そこで産学が連携し、地上型3次元レーザ測量技術の、公共測量への採用を目指したマニュアルの作成を、平成23年から続けてきました。その結果として、このプロジェクトの成果が活用されたマニュアル(案)が制定され、平成29年3月末より公共測量に使用できるようになりました。地方企業を中心とした産学連携でこのような成果が出たのは極めて珍しく、地域の拠点大学として地方創生にも寄与したと言えます。

山間域におけるGNSSからの衛星信号の受信状況に関する研究

研究内容

地籍調査にGNSS測量を取り入れる環境変化の中で、研究では準天頂衛星4機の実運用(平成30年4月)を視野に入れ、山間域において異なるGNSS受信機を使用した測位実験を行っています。GNSSの観測条件が悪いと言われる山間域における受信実験を行うことで、衛星信号の受信状況について調査しています。実験は各受信機を車両の天頂部に設置し、1秒ごとのデータを受信して解析します。さらに公的なデータとして精度が担保されている地理院地図の道路中心と観測値を比較し、各機種の精度検証をおこなっています。現状の解析から、GNSSを用いた地籍調査の効率化に向けた提案にむけて研究を進めています。

GNSSロガーを用いた「はいかい」事故予防の研究

研究内容

「産学官民連携によるはいかい事故防止対策の提案」
 はいかい事故は患者を自宅介護する際に発生するものがほとんどです。自宅介護では常に患者を監視することが困難ですが、既存の「位置情報サービスシステム」では通信費やシステムが高価であること、個人情報が第3者に知られる危険性がともないます。そこで、安価で家族のみではいかい見守りができるシステムを産学官民で構築しています。使用機器は安価なGNSSロガーで、解析ソフトウエアは無償で提供されているものを使用します。解析用のパソコンは自宅にあるものを使用しますので、第3者に「はいかい」の情報を知られることはありません。
 各種ロガーを用いて周囲の状況による受信状況や「はいかい」の状況に応じた使い方を研究しています。このテーマは産学官民連携で行われる空間情報プロジェクトの1つであり、「はいかい」に詳しい地元専門医も参画しています。

小・中学生を対象としたサイエンスセミナー(カメリアキッズ)の開催

研究内容

鹿田研究室では2007年から小中学生を対象とした「カメリアキッズ」を開催しています。近年、小中学生の理科離れが問題になっていることから、楽しく科学技術を学んでもらうことを趣旨としています。具体的には、GNSSを用いた宝探し、アナグリフを用いた立体写真の作成、Giga Panによるパノラマ写真の撮影などを行っています。楽しみながら空間情報工学を勉強することで、子どもたちの学習意欲の向上を目指しています。

学会発表への積極的な参加

研究内容

毎年、国内・国外問わず積極的に学会に参加し研究成果を発表しています。

教員紹介

TEACHERS

鹿田正昭  教授・工学博士

石川県金沢錦丘高校出身

略歴

金沢工業大学土木工学科卒。同大学大学院工学研究科修士課程(土木工学)修了。1976年本学助手。講師、助教授を経て、2000年現職。2016年副学長。測量士。シニア教育士。

専門分野

専門:空間情報工学
論文・著書:論文に、Research on Real-time Revision of Base Map using Remote Sensing and RTK-GPS、著書にエース測量学(朝倉書店)、空間情報工学概論(日本測量協会)ほか
受賞:日本測量協会論文奨励賞

横顔

座右の銘は No Pains No Gains、研究室の方針は7:3(7は課外活動、3は研究活動)と言い続けて40数年、恒例のカメリアキッズ(野々市市の小中学生向けサイエンスセミナー)は10年の歴史を刻み1期生が本学に入学。継続は力なりを感じている。

趣味

自己満足のピアノ演奏(最近はまったく弾いていない)、余暇は石川県で唯一の男声合唱団(金沢メンネルコール)の団員として人間の作るハーモニーを楽しんでいたが、2005年頃から多忙でとうとう休団となった。40周年記念演奏会(2016年)に1ステージのみ復活したが・・・当面は復帰できそうにない。

近況

2012年5月に(一社)日本写真測量学会常務理事、日本写真測量学会北信越支部長、2014年に国土地理院測量行政懇談会委員の重責を拝命した。また、2012年にK.I.T.空間情報プロジェクトが正式に発足し日本写真測量学会北信越支部とも連携できた。北陸地方の地理空間情報に関する産学官の連携を促進したい。

オリジナルコンテンツ

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