バイオ・化学部 応用化学科

土佐光司 研究室

TOSA KOJI
LABORATORY

化学工学を環境・エネルギー・バイオ・有機合成に適用し,問題解決に取り組む

化学反応を効率化し,新規反応を開発する反応工学。混合物を目的物質と不要な物質に分ける分離工学。化学工学におけるこれら二つの技術を,環境・エネルギー・バイオ・有機合成など様々な分野に適用し,問題解決に取り組んでいる。たとえば,富栄養化湖の水質調査と異臭味物質除去,紫外線や酸化剤による殺菌・消毒,微生物燃料電池による発電と有害物質処理,バイオマス原料からの有用物質抽出・合成などの技術を開発している。

キーワード

  • 水環境
  • 微生物
  • 燃料電池
  • バイオマス
  • 有機合成

ニュース&トピックス

NEWS & TOPICS

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研究紹介

RESEARCH

富栄養化湖沼の水質調査と異臭味物質除去

研究内容

富栄養化は,湖沼などの閉鎖性水域にに窒素,リンなどの栄養塩が流入することで,藻類が異常に増殖し,人間による水の利用に支障が生じる現象である。異常増殖した藻類により,カビ臭や魚臭などの不快な臭気が水に着くことがある。着臭した水域を水源とする水道では,臭気除去のため,活性炭吸着やオゾン酸化などの処理を強いられ,そのコストは水道料金に転嫁されることとなる。本研究の目的は,富栄養化湖沼の水質予測手法の開発および浄水プロセスにおける異臭味物質除去技術の開発である。富栄養化した湖沼およびその水源の水質を調査し,その他の環境条件とあわせて水質を予測する精度のよいモデルを開発することで,浄水方法の選択や制御の最適化に役立つ。また,従来の活性炭では除去しにくい臭気物質を効果的に除去する材料の開発を行っている。

紫外線や酸化剤による殺菌・消毒

研究内容

水中には様々な病原微生物が存在しており,飲料水や環境・親水用水の安全確保のためには水の殺菌・消毒が不可欠である。しかしながら,我が国の水道水・下水の消毒技術のスタンダードである塩素消毒では,トリハロメタンをはじめとする有害な副生成物質が生成する。本研究の目的は,水中の有害微生物の殺菌技術を開発することである。本研究室では,紫外線照射,次亜塩素酸,オゾンなどの様々な殺菌・消毒方法により,水中の病原微生物やその指標となる指標微生物を不活化しつつ有害な副生成物質の生成を抑制し,おいしくて安全な飲料水を提供する技術を開発している。本テーマの成果は,おいしくて安全な飲料水・水道水,生態系を保全する下水処理水・環境水の実現に寄与し,快適な生活空間の創造と生物多様性の保全へつながることが期待される。

微生物燃料電池による発電と有害物質の処理

研究内容

有機性バイオマスからのエネルギー回収を効率的に行う次世代技術として,微生物燃料電池技術が注目されている。微生物燃料電池は電気生産微生物を触媒とし,有機物中に含まれる化学エネルギーを電気に変換する装置である。微生物燃料電池は薬剤や曝気によるエネルギー消費を行わずに排水中の有機物からエネルギーを電気として回収する廃水処理技術として注目されている。本研究の目的は,有機性排水や廃棄物を燃料とする微生物燃料電池による発電と,往々にして排水や廃棄物に含まれる有害物質の分解・除去を同時に行う技術の開発である。本研究室では,有害物質(発がんプロモーター)を含むジャトロファ油粕を燃料とする微生物燃料電池を作成・運転し,油粕からエネルギーを電気として回収しつつ,含有有害物質(発がんプロモーター)を分解するシステムの構築に成功した。今後,排水を燃料とし,排水中に含まれる様々な有害物質および有害微生物の除去を発電と同時に行うシステムの構築を目指して研究を継続していく。

バイオマス原料からの有用物質抽出・合成

研究内容

フローマイクロリアクターを用いた有機合成技術の開発が活発化している。従来,有機合成はバッチリアクター(「釜」と呼ばれることが多い)で多く行われてきた。これに対し,フローマイクロリアクターは,直径500μm以下の管に連続的に原料を流しながら目的物質を合成する技術である。有機合成にフローマイクロリアクターを用いることで,バッチリアクターと比較して,反応時間の短縮,収率の向上,選択性の向上などが得られることが知られている。本研究の目的は,フローマイクロリアクターを用いた新しい有機合成方法を開発することである。本研究室では,フローマイクロリアクターを用いて,ジャトロファ油を原料とするバイオディーゼル燃料の合成方法を開発してきた。ジャトロファは食料生産と競合しない油料作物であるが,発がんプロモーターなどの有害物質を含んでいる。そこで,本研究室では,ジャトロファに含まれる発がんプロモーターの分解とバイオディーゼル燃料の収率向上を課題として研究を継続してきた。今後は,バイオディーゼル燃料のみならず,他の有用有機物の合成方法も研究していく予定である。

教員紹介

TEACHERS

土佐光司  教授・博士(工学)

鹿児島県ラ・サール高校出身

略歴

東京大学工学部都市工学科卒。同大学大学院工学系研究科修士課程(都市工学)修了。麻布大学環境保健学部助手を経て、同講師。1999年本学講師就任。助教授を経て、2011年現職。

専門分野

専門:環境工学、化学工学
論文・著書:水環境工学(オーム社)、水環境ハンドブック(朝倉書店)、紫外線消毒 水の消毒への適用性 (技報堂出版)
受賞:日本水道協会長表彰有効賞(論文賞)

横顔

高校は鹿児島でしたが、生まれ育ったのは和歌山県和歌山市です。学生時代から継続して、水質調査や水処理などの環境技術を研究してきました。加えて、現在は、環境負荷の少ない化学プロセスの開発を目指し、バイオマス技術やマイクロリアクター技術などのグリーンケミストリーの研究に取り組んでいます。

趣味

阪神タイガースの応援、城跡・史跡巡り、ポケモン

近況

応用化学演習を担当し、30年ぶりで基礎的な化学を勉強しています。

オリジナルコンテンツ

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