バイオ・化学部 応用バイオ学科

尾関健二 研究室

OZEKI KENJI
LABORATORY

有用な酵素と発酵微生物の力を借りて、食品廃棄物から素材開発に挑戦

日本酒は米の成分を麹菌(国菌)によって分解し、酵母の力で発酵させてつくる。研究室では麹菌や酵母などの微生物と、米ヌカ、小麦フスマ、大豆オカラの食品廃棄物資源(バイオマス)に着目。有用な酵素の力と微生物による発酵の力によって、新たな機能性の高い素材に変換するバイオコンバージョンに挑戦。廃棄物を出さない機能性素材を開発する。

キーワード

  • 酵素
  • 微生物の力
  • バイオコンバージョン
  • 機能性素材

研究紹介

RESEARCH

バイオマスのバイオコンバージョン、麹菌での有用物質生産、有用物質の発酵生産と有害物質低減化技術の開発

研究内容

日本酒の特有の並行複発酵の結果、麹菌の酵素と酵母のアルコールにより生産するα-エチル-D-グルコシド(αEG)は角質細胞の荒れ肌改善効果がある。日本酒、焼酎、酒粕再発酵、みりんなどの発酵物にαEGを高含有する発酵法を開発した。0.001%αEGでも短時間でのヒト皮膚での水分蒸散抑制機能が高いことが分かった。また真皮層の線維芽細胞の細胞賦活効果が非常に薄い濃度で認められ、コラーゲンの生産能力に影響がある新しい保湿機能が高いことを証明した。吟醸酒粕の焼酎仕込で高含有法を開発し、蒸留残差にαEGが生産でき、これまで廃棄処理された蒸留残差からαEGを配合したシャンプー、石鹸などの日用品を開発に成功した(産学連携)。米ヌカ、小麦フスマ、大豆オカラは3 大食品廃棄物(バイオマス)であり、ヘミセルロースを高含有する。食品用酵素剤を用いて、大豆オカラのヘミセルロースはほぼ分解できる条件を確立し、米ヌカと小麦フスマは最大に可溶化できる最適条件を確立中である。またこれらのヘミセルロース可溶化素材には、新規にチロシナーゼ阻害活性があることが判明した。また各種機能性について検討中である。各種加工食品(コーヒー、ほうじ茶など)中の発がん性があるアクリルアミドを低減化できる麹菌バイオリアクターを開発した。また分解遺伝子を特定し、麹菌低減化法を各種検討中である。麹菌から機能未知のコンパクトなタンパク質(25kDa)を高生産する培養条件を発見し、付加価値の高い異種タンパク質を培地中に高生産する技術を開発中である。糸状菌のリゾプス属を嫌気的(LSI)培養することで、バイオエタノールを高生産することが分かり、現在フスマ、稲ワラなどのバイオマスからスケールアップを含め高生産する培養条件を検討中である。

教員紹介

TEACHERS

尾関健二  教授・博士(農学)

愛知県熱田高校出身

略歴

岐阜大学農学部農芸化学科卒。同大学大学院農学研究科修士課程(農芸化学)修了。大関酒造(株)入社、研究開発室配属、1988年~1990年(株)醸造資源研究所出向、国税庁醸造試験所((独)酒類総合研究所)共同研究、大関(株)総合研究所統括リーダー、築野食品工業(株)企画開発室テクニカルアドバイザーを経て、2005年本学教授就任。ゲノム生物工学研究所研究員。

専門分野

専門:発酵、酵素、発酵微生物の分子育種、機能性食品・化粧品・飼料素材開発、バイオコンバージョン
論文・著書:麹菌遺伝子プロモーターの解析と形質転換法に関する研究(学位論文)。発酵・醸造食品の最新技術と機能性(シーエムシー出版、2006年)。食品酵素化学の最新技術と応用Ⅱ(シーエムシー出版、2011年)。発酵・醸造食品の最前線(シーエムシー出版、2015)。
その他専門情報:上級バイオ技術者認定(2006年)

横顔

企業では色々な産学官のコンソーシアムに参画してきたので、その経験を活かし、特に麹菌=国菌に恩返しできるように教育・研究に当たりたい。

趣味

スポーツ観戦、旅行(車運転)

近況

麹菌【国菌】の浸透、麹菌を世界で初めて産業化した地元の偉人である高峰譲吉博士の認知活動と麹菌を利用した国酒【日本酒】の復権に努力したい。

オリジナルコンテンツ

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