ミヂカを変える、ミライ技術

ミヂカを変える、 ミライ技術

SF小説に出てくるような未来の技術が、どんどん身近になってきています。より便利に、より高性能になるだけではなく、新しい技術は想像さえしなかった価値を生み出します。その大もとにあるのが電子情報通信工学科の学びと研究成果。通信と電気を学んだ学生たちは、技術を手に、見えはじめた未来へと踏み出していきます。情報通信技術の先にある、新しい「ミライ」とは。

金沢工業大学 17号館 電波暗室

4K超えで現実をも超える映像力

8K

8K

Ultra-high-definition Television

普及しはじめた4K映像に続き、さらに高精細な8K映像の研究が進められています。8Kの画素数はフルハイビジョンの16倍。フルハイビジョンのテレビは、近づくと液晶のドットを見ることができますが、8Kはどれだけ近づいても液晶のドットがわからないほどです。リアルな映像表現と臨場感で、現実の風景とテレビの映像が区別できなくなる日もそう遠くありません。高度化するテクノロジーが、新たな世界をもたらすのです。

コンピュータは身につける時代へ

ウェアラブル

ウェアラブル

Wearable Computer

初期のコンピュータは部屋いっぱいの機械でしたが、現在ではスマートフォンなどポケットに収まるサイズに。さらに小型化し、身につけることのできる「ウェアラブル・コンピュータ」が出現しつつあります。webにアクセスするだけではなく、肌に貼るセンサーで健康状態をチェックしたり、望遠機能を備えたコンタクトレンズのようなウェアラブル・コンピュータが出てくるかもしれません。メガネ型、衣服型、指輪型、靴型、イヤホン型など......無限の可能性は、電子部品・通信部品の小形化がカギを握っています。

段違いの高音質

ハイレゾ

ハイレゾ

High-Resolution Audio

生の音を録音するには、音というアナログ信号を電子の知識を使ってデジタル化する必要があります。生の音により近いかたちでデジタル化できるのが「ハイレゾ」です。CDの音に比べて約6.5倍の音の情報量を持ち、今までの音源では表現できなかった音の繊細さ・表現力・ディテールを感じ取ることができます。近い将来、コンサートやライブの臨場感を家で、そして、持ち運びできるようになるかもしれません。

空中から電力を取り出す

環境創電

環境創電

Energy Harvesting

小型のセンサーをあちらこちらに設置できれば、気象予測の精度を高めたり、地震の前兆などを察知できたりするようになるかもしれません。しかし、ここで問題になってくるのが、センサーを動かす電力です。そこで、空中を伝わる電波から電力を取り出そうという研究が進められています。近い未来、微弱な電力で動くセンサーや機械が、これまで見ることのできなかった新しい世界を見せてくれるかもしれません。

車の自動運転にも応用

レーダー

レーダー

Radar

自動運転車=「ぶつからない車」の実現に欠かせないのが、車の周りにいる人や建物、車線などを認識するレーダーです。レーダーは電波を発し、周囲のものまでの距離や方向を知る装置。これまで、自動車の衝突防止のセンサーにはカメラや赤外線レーダーが用いられるのが一般的でしたが、今、電波の一種である「ミリ波」を用いたレーダーが注目されています。カメラのように悪天候に左右されず、夜間でも使えるというメリットがあり、自動運転車の実現・コストダウンに大きく貢献することが期待されます。

すべてのモノがインターネットにつながる

IoT

IoT

Internet of Things

これまで、インターネットは人が見たり使ったりするものでした。しかし、これからは違います。人だけではなく、さまざまなモノがインターネットにつながるようになってきます。例えば、インターネットごしに施錠・解錠を行うことのできる玄関の鍵や、足りない食材を通知してくれる冷蔵庫、住人のスケジュールに合わせて自動的に点灯するライトなどが登場してくることでしょう。すべてのモノがインターネットにつながる、それが「IoT」=「モノのインターネット」です。電子部品の進化・小形化、そして通信技術の成熟があってこそのIoT。今後、生活だけではなく、農業や工業など産業の分野でも大きな変化をもたらすことでしょう。

環境や人間とエレクトロニクスとの調和をめざす

環境・生体調和デバイス

環境・生体調和デバイス

Environmentally & Biologically-harmonized Devices

21世紀の技術開発は地球環境にやさしいことが必要です。今、光に反応して化学反応を起こす材料「光触媒」が注目されています。光触媒の機能を最大限に引き出すデバイス(材料)の開発が進めば、環境汚染物質の無害化や、太陽光エネルギーだけで水から水素を製造する技術の実現につながります。さらに、環境・生体に大きな負担や負荷をかけずに、生体の組織内に侵入させられるほど微細なデバイスは、細胞レベルでの生体制御、果ては生命の起源を解明することを可能にするかもしれません。

こういったミライ技術の基礎を学ぶのが、金沢工業大学の電子情報通信工学科なのです。液晶や通信、電子回路について学び、将来、技術者として社会の情報通信を支える。また、最先端のミライ技術の開発に携わるかもしれません。今後は、さまざまな分野でディスプレイや通信技術の利用が増えることが予想されており、情報通信を支える技術者が多く求められていくでしょう。

TOPICS01

世界最小・高効率のワイヤレス給電の回路を学生が自作

学生が国際学会で学生論文最高賞!

学生が国際学会で学生論文最高賞!

無線でエネルギーを伝送する技術開発は、将来、宇宙太陽光発電や電気自動車の充電にも応用可能で、現在、多くの研究者が開発にしのぎを削るホットな研究分野。2014年5月、そんな「無線電力伝送」に関する世界的な国際学会IEEEで、電子情報通信工学科から大学院に進学した伊藤元希さん(伊東研究室)が「Best Student Award(学生論文最高賞)」を受賞しました。伊藤さんは、安価な電子材料を使うとともに、試行錯誤しながら電子回路を自作し、世界最高効率の電子回路を実現。その成果が世界で評価されたのです。

TOPICS02

工学分野のノーベル賞を受賞

モバイル技術の開拓者は日本人だった

モバイル技術の開拓者は日本人だった

携帯電話を英語に訳すと? 答えは「セルラーフォン(cellular phone)」。「cellular」とは「細胞状の」という意味で、これは携帯電話と交信する基地局が細胞のように配置されることから、このように名づけられています。この基地局の配置や、障害物がある環境下での電波の伝わり方など、現在のモバイル技術の基礎理論を研究・解明したのが、金沢工業大学の奥村善久名誉教授。この研究成果に対し、2013年1月、“工学のノーベル賞”と言われる「Charles Stark Draper Prize」(チャールズ・スターク・ドレイパー賞)」が授与され、日本人として初めてこの賞を受賞しました。

奥村名誉教授の研究は、1979年のNTTによる世界初の商用携帯電話網構築に道を拓くとともに、携帯電話の基地局を効率よく設置する上で欠かせないデータとして世界各国で役立てられています。奥村名誉教授は、金沢工業大学電子工学科(現在の電子情報通信工学科)で教鞭をとり、多くの学生を技術者として社会に送り出しました。その研究成果と、研究へ挑戦する精神は、電子情報通信工学科に脈々と息づいています。

TOPICS03

通信・電気の技術者として社会へ

学部生・大学院生、ともに就職内定率100%

学部生・大学院生、ともに就職内定率100%

電子情報通信工学科を卒業した学生は、ネットワークを構築・メンテナンスする企業や、ディスプレイ製造の企業に就職しています。また、電気系の学びを活かして、家電・機械・自動車メーカ、鉄道会社に就職するなど、幅広い就職先があります。道路・ガス・電気・水道とともに、現代社会になくてはならないインフラとなった「情報通信」。今後も、この情報通信を支える技術者が多く求められていくでしょう。

就職内定者のうち、学部卒業生では63.0%が、大学院修了生では85.7%が上場・大手企業・公務員に就職しています。また、電子情報通信工学科の教員の多くが企業出身者。その豊富な経験をもとに学生の進路をサポートしています。

おもな就職先(学部)

インターネットイニシアティブ・NECネッツエスアイ、協和エクシオ、JR西日本、ジャパンディスプレイ、住友電装、大同工業、日本コムシス、ミライトなど(2015年3月卒業生実績)

さらに高度な技術者になるために〜大学院への進学

通信の技術についてさらに学びたい、専門性を高めたいなら大学院へ。電子情報通信工学科から大学院工学研究科電気電子工学専攻に進学すれば、4年生で行った研究に引き続き取り組むことができ、高度な専門技術者をめざすことができます。

おもな就職先(大学院)

IHI、出光興産、小松製作所、住友電装、ダイキン工業、東芝、パナソニク、日立製作所、富士重工業、三菱電機、ミネベア、明電舎など(電気電子工学専攻2013年3月〜2015年3月修了生実績)

電子情報通信工学科で学ぶこと。

学科のここが知りたい!Q&A

学科のここが知りたい!Q&A

電子情報通信工学科と電気電子工学科の違いについて教えてください。

電子情報通信工学科では、「情報を伝える道具としての電気」を学ぶということです。具体的にはディスプレイや通信システム、音響などがテーマになります。一方、電気電子工学科は、「ものを動かすエネルギーとしての電気」を学びます。具体的には太陽光発電とか風力発電など、発電のように大きなシステムの中での電気や、半導体のようにものをコントロールし動かすことを勉強します。

電子情報通信工学科で学ぶことをわかりやすく
教えてください。

携帯電話やスマートフォン、タブレット端末を例にとってみましょう。スマートフォンに内蔵されているアンテナや送受信モジュールといった通信回路をはじめ、無線LANや電波伝搬、通信が成り立つための信号処理などの技術を全般的に学びます。また、タブレット端末のディスプレイの材料や回路についても勉強します。ただし、これらは応用ですので、やはり最初はベースとなる、電気回路など電気の基礎知識を学ぶことになります。

KITの電子情報通信工学科ならではの特長はありますか?

有機ELなど新しい発光体を使ったディスプレイの研究開発、災害時に避難誘導するための音響システムの構築、小形で高性能なアンテナの開発などは、本学科が力を入れている分野であり、最先端の研究を行っています。

企業との共同研究なども多いのですか?

はい、産学連携で進めている研究は数多くあります。実際にものを生み出す第一線にいる企業の人たちと一緒に研究したり、プレゼンテーションの経験値を上げられるのも、本学科の大きな特長です。企業出身の先生が多いことも、産学連携をしやすい環境と言えます。

どんな資格をめざせますか?

取得できる資格は、通信関連で言うと電気通信主任技術者、陸上無線技術士1・2級、特殊無線技士、工事担任者などがあります。また、インターネット検定、ラジオ・音響技能検定などに興味を持つ学生も多いようです。

就職先はどのようなところが多いですか? 
また、これから有望な業界はありますか?

やはり電機メーカーや電気設備関連、通信設備関連企業が多いですね。たとえば最近では、スマートフォンなどの基地局の配置やマネジメントをする会社などへの就職も増えています。インターネットでの配信に見られるように動画や画像データなど、より大容量のデータをやり取りするため、通信の仕組みや通信プロトコルを進化させていく必要があります。それに伴い基地局のハードやソフトも見直さなければならず、今後はこのような通信インフラ分野からの求人もより期待できます。

学生の実力、研究の魅力。

Labo’s Curation