工学部 環境土木工学科

鹿田正昭 研究室

SHIKADA Masaaki
LABORATORY

地上レーザ点群データの解析に関する研究や地域貢献で小中学生のためのサイエンスセミナーの講師に!

地上型レーザにより取得される3次元点群データは測量計測の常識を大きく変える技術であり、空間情報工学(測量分野)での活用が進められています。KITが産学官連携で行った地上型レーザ計測実証実験を基に、令和2年3月30日に「公共測量作業規程の準則」に掲載され、多くの測量系企業が準則に則り公共測量を開始しています。写真は白山市白峰地区の点群データです。

キーワード

  • 地上レーザ計測
  • 各種GNSS(GPS)の有効活用
  • 地理情報システム(電子地図)
  • サイエンスセミナー(カメリアキッズ)

研究紹介

RESEARCH

スマートフォンとGNSSロガーを用いた「見当識障害者」事故予防の研究

研究内容

「産学官民連携による見当識障害者事故防止対策の提案」
 見当識障害者事故は患者を自宅介護する際に発生するものがほとんどです。自宅介護では常に患者を監視することが困難ですが、既存の「位置情報サービスシステム」では通信費やシステムが高価であること、個人情報が第3者に知られる危険性がともないます。そこで、安価で家族のみで見当識障害者の見守りができるシステムを産学官民で構築しています。使用機器は安価なGNSSロガーやスマートフォン向けアプリで、解析ソフトウエアは無償で提供されているものを使用します。解析用のパソコンは自宅にあるものを使用しますので、第3者に「見当識障害者」の情報を知られることはありません。
 各種ロガーを用いて周囲の状況による受信状況や「見当識障害者」の状況に応じた使い方を研究しています。このテーマは産学官民連携で行われる空間情報プロジェクトの1つであり、「見当識障害者」に詳しい地元専門医や地元自治体も参画しています。

産学連携で行う地上型レーザの精度検証

研究内容

トータルステーションやGNSSなどによる公共測量の方法等を定めた「国土交通省公共測量作業規程の準則」に地上型レーザ測量は含まれていませんでした。この理由としてレーザ測量技術は誕生してから歴史が浅く、とくに地上型レーザは精度検証を行っていなかったからです。そこで産学官が連携し、地上型3次元レーザ測量技術の、公共測量への採用を目指したマニュアルの作成を平成23年から続けてきました。その結果として、このプロジェクトの成果が活用されたマニュアル(案)が制定され、平成29年3月末より公共測量に使用できるようになりました。地方企業を中心とした産学連携でこのような成果が出たのは極めて珍しく、地域の拠点大学として地方創生にも寄与したと言えます。制定された『地上レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)』に準拠して作業する際の課題及び改善点の抽出を目的として金沢工業大学と国土地理院は現在も共同研究を実施しています。

山間域におけるGNSSからの衛星信号の受信状況に関する研究

研究内容

地籍調査にGNSS測量を取り入れる環境変化の中で、研究では準天頂衛星4機体制が整ったことから(平成30年11月)、山間域において異なるGNSS受信機を使用した測位実験を行っています。GNSSの観測条件が悪いと言われる山間域における受信実験を行うことで、衛星信号の受信状況について調査しています。実験は各受信機を車両の天頂部に設置し、1秒ごとのデータを受信して解析します。さらに公的なデータとして精度が担保されている地理院地図の道路中心と観測値を比較し、各機種の精度検証をおこなっています。現状の解析から、GNSSを用いた地籍調査の効率化に向けた提案にむけて研究を進めています。

小・中学生を対象としたサイエンスセミナー(カメリアキッズ)の開催

研究内容

鹿田研究室では2007年から小中学生を対象とした「カメリアキッズ」を開催しています。近年、小中学生の理科離れが問題になっていることから、楽しく科学技術を学んでもらうことを趣旨としています。具体的には、GNSSを用いた宝探し、アナグリフを用いた立体写真の作成、Giga Panによるパノラマ写真の撮影などを行っています。楽しみながら空間情報工学を勉強することで、子どもたちの学習意欲の向上を目指しています。

準天頂衛星「みちびき」による精度評価

研究内容

位置情報は人々の生活を支える重要な役割を担っています。2010年、日本政府は準天頂衛星システム初号機「みちびき」を打ち上げました。準天頂衛星システムとは日本のほぼ天頂を通る軌道を持つ衛星を複数機組み合わせた衛星システムで、常に1機の衛星を日本上空に配置できるよう、非対称の8の字の軌道を採用しています。平成29年に残りの3機の衛星が打ちあがり、平成30年11月から24時間常に準天頂衛星からの信号を受信できるようになりました。準天頂衛星はGPS互換信号を持っており「GPS補完」ができるとともに、QZSS独自の補強信号による「GPS補強」の機能を持っています。研究室では準天頂衛星の特徴であるGPS補強を中心として実証実験を行っています。これまでに移動体観測、定点観測など多くの実証実験を行い、準天頂衛星の有効性を検証して国内外の学会で発表しています。

学会発表への積極的な参加

研究内容

毎年、国内・国外問わず積極的に学会に参加し研究成果を発表しています。

教員紹介

TEACHERS

鹿田正昭  教授・工学博士

略歴

1972年
3月
石川県立金沢錦丘高等学校 卒業

1976年
3月
金沢工業大学 工学部 土木工学科 卒業

1976年
4月
金沢工業大学 助手 

1983年
3月
金沢工業大学大学院 工学研究科 土木工学専攻 修士課程 修了

1991年
4月
金沢工業大学 講師 

1994年
4月
金沢工業大学 助教授 

2000年
4月
金沢工業大学 教授 

2016年
4月
金沢工業大学 副学長 

専門分野

専門:リモートセンシング、全地球測位システム、地理情報システム、測量学、空間情報工学

学生へのメッセージ

座右の銘は No Pains No Gains(蒔かぬ種は生えぬ)、研究室の方針は7:3(7は課外活動、3は研究活動)と言い続けて40数年、2005年に金沢工業大学の産学・地域連携プロジェクトとして発足した空間情報プロジェクト(https://www.kanazawa-it.ac.jp/prj/geography/)はやがて20年近くの歴史を刻み、継続は力なりを感じている。
趣味は男声合唱と自己満足のピアノ演奏(最近はまったく弾いていない)だが、多忙により休団中。当面は復帰できそうにない。2012年5月に(一社)日本写真測量学会常務理事(~2022年5月)、日本写真測量学会北信越支部長(~2022年7月)、2014年に国土地理院測量行政懇談会委員および研究評価委員長(~2022年3月)の重責を拝命し、いずれも無事に責務を終えることが出来た。また、2016年の第12回CDIO世界大会(フィンランド、トゥルク)で2018年第14回世界大会の日本招致に成功し、大会委員長として30か国300名の参加を得て成功裏に終えることができた。
学生諸君にはNo Pains No Gainsを実践して「自ら考え行動する技術者」を目指してほしい。

担当科目

測量学Ⅰ  測量実習・演習Ⅰ  測量実習・演習Ⅱ  プロジェクトデザインⅢ(鹿田正昭研究室)  測量学Ⅱ  情報計画研究(鹿田正昭)  Advanced civil engineering  環境土木のフロンティア  地理空間情報特論  

オリジナルコンテンツ

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