ネットワーク・セキュリティを確立したい 障害者や高齢者でも簡単に投票できる電子選挙システムの確立をめざす |

神谷聖
情報工学科4年
[静岡県 掛川工業高等学校出身]
2005年4月 (株)アイティフォー就職
※学生の学年表記は2005年3月現在です |
中学生の頃からコンピュータの魅力にひかれていた神谷聖は、工業高校の情報技術科に進んでコンピュータの基礎を勉強。大学ではインターネットについて学びたかったのだという。「インターネットやさまざまな種類のネットワークのシステム開発を行うにあたり、利便性だけでなくセキュリティ面を重視しているところが千石研究室のいちばんの特長。将来性を考え、自分も千石先生の下で学びたいと考えるようになりました」。念願の千石研究室に入った神谷が現在取り組んでいるのは、オープンネットワークを利用した電子選挙システムの研究。自宅にいながら選挙に参加できるシステムが完成すれば、障害者や高齢者も簡単に選挙に参加できるから。しかし、この研究には投票者が本人であることを確認し、投票した内容を秘匿し、そのうえでさらに二重投票を避けなければならないなど、デリケートな問題がかなり含まれている。神谷がもっとも力を注いできたのは、本人確認のセキュリティについての研究。汎用ブラウザからのアクセスにおいて、パスワードの秘密を保持するという難題に取り組んできた。「パスワードの秘密保持については、昔から知られていた一方向性ハッシュ関数という理論を応用してなんとか課題をクリアすることができました。しかしまだ問題は残っています。次は投票内容の秘密を守るシステムについて研究していくつもりです」。神谷がKITで身につけたのは、ネットワーク上における問題点をあぶり出し、解決策を練るという能力。社会の変化に順応し、その時どきに起こりつつあるセキュリティ上の問題を発見・指摘し、早急に解決に導く力。神谷は、社会に貢献できるエンジニアをめざし、これからもたゆまぬ努力を続けていくことだろう。
|