工学部 機械工学科

岸陽一 研究室

KISHI Yoichi
LABORATORY

金属の極限性能を探究して、人に優しい新材料の研究・開発に取り組む

「金属」は身近でありながら未知なる可能性を秘めている。力を加えると結晶構造が変化する「応力誘起変態」を応用した新材料開発や、人体内部で“しなやか”に動く「形状記憶合金」に関する研究など、新しい機能を持つ新材料と加工技術を開発。従来の金属の新たな能力を発見し、人にやさしい新材料の実用化をめざす。

キーワード

  • 形状記憶合金
  • 応力誘起変態
  • 新材料

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研究紹介

RESEARCH

相変態を応用した材料の高機能化:マルチフェロイック型センサ/ アクチュエータ材料の創成

研究内容

固相変態型フェロイック材料(形状記憶、超弾性、磁歪、圧電等の機能を有する材料)をベースにしての積層・複合化にはいくつかの方法がある。本課題では自律動作型機械・構造体、MEMS、NEMS への組込み可能な新規センサ/アクチュエータ素子の創製を目指しているので、それが実現可能な多元素・同時スパッタリング法を応用した積層・複合化プロセス技術の確立を試みている。併せて、多様な基板材料への成膜を目的に、各種基板材料への負のパルスバイアス印加による結晶化温度の低減を行っている。試作したセンサ/アクチュエータ素子の動作特性評価、積層界面などの構造解析から得られた知見や経験を活かして新機能発現のメカニズムを解明することによりプラズマ・スパッタ装置を駆使した、フェロイック効果のシナジーによって多機能化した新規センサ/アクチュエータ素子の試作及びそれらを積層・複合化した機械・構造体及びMEMS、NEMS の提案・設計を行う。

マルチフェロイック型センサ/アクチュエータ材料の創成と機能相乗機構の解明

研究内容

固相変態型フェロイック材料(形状記憶、超弾性、磁歪、圧電等を示す材料)をベースにして、種々の方法で多機能化したマルチフェロイック効果・材料群(Multi-Ferroic Effect、 MFE)、特にナノ・メゾ・ミクロスケールで組織制御した材料では、結晶やドメイン形態(寸法、構造、相互干渉効果)等が通常の溶解加工プロセスを経て得られる平衡相バルク材料とは大きく異なっているので、電子・原子構造から微視組織制御にまたがる材料科学的課題の解決、材料加工プロセスの革新による新材料創製や特性の飛躍的向上が期待できる。さらに、これらを積層した際にはフェロイック効果のシナジーによって新たな機能の発現も期待できる。異種のフェロイック材料の積層化にはいくつかの方法があるが、最終的にはMEMS へ組込み可能な新規センサ/アクチュエータ素子の創製を目標としているので、多元素・同時スパッタリング法を応用して積層化を試みる。また、多様な基板材料への成膜を可能とするために、基板への負のパルスバイアス印加による結晶化温度の低減も試みている。試作したセンサ/アクチュエータ素子の基本的な動作特性評価、積層界面の構造評価、などを行って、フェロイック効果のシナジーによって高機能化した新規センサ/アクチュエータ素子を提案する。

二方向形状記憶合金の作製条件と形状回復動作の関係

拡散を利用した機能性金属材料の創製

教員紹介

TEACHERS

岸陽一  教授・博士(工学)

略歴

1985年
3月
新潟県立新津高等学校 卒業

1989年
3月
金沢工業大学 工学部 機械工学科 卒業

1991年
3月
金沢大学大学院 教育学研究科 技術教育専攻 修士課程 修了

1994年
3月
金沢大学大学院 自然科学研究科 物質科学専攻 博士課程 修了

1994年
4月
日本工業大学 材料試験研究センター 助手 

1996年
4月
日本工業大学 材料試験研究センター 講師 

1997年
4月
金沢工業大学 講師 

2002年
4月
金沢工業大学 助教授 

2011年
4月
金沢工業大学 工学部 機械系 機械工学科 教授 

2018年
4月
金沢工業大学 工学部 機械工学科 教授 

専門分野

専門:金属物性、構造・機能材料、機械材料・材料力学

学生へのメッセージ

2001年3月から2002年3月の間、メリーランド大学(Washington-DCの近郊)にて研究留学する機会をいただきました。MEMSやマイクロアクチュエータの素材となるマルチフェロイックス材料を対象にした組織観察、結晶構造解析などを行っていました。この研究が、現在の研究テーマの礎になっているのは言うまでもありません。天気の良い日には、家と大学の間にある小道(trail)を使った通勤ランをすることもありました。研究活動、日常生活の中での経験は、私の貴重な財産になっていることを日々実感しています。
最近は、ランニング(通勤ランはしていません)やサイクリングなどが新しいアイディアを具体化する活力になっています。複雑怪奇な世の中で迷わないためには、心と体の健康が大切ですね。改めて実感しています。

担当科目

工業力学Ⅰ  材料科学Ⅰ  機械力学Ⅰ  機械工学専門実験・演習A  プロジェクトデザインⅢ(岸陽一研究室)  工業力学Ⅱ  機械要素設計  材料科学Ⅱ  マイクロ・ナノ加工  マテリアルデザイン工学研究(岸 陽一)  機能性金属材料特論  

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