工学部 機械工学科
中田政之 研究室
高性能な機械構造物を実現するCFRPの研究
大型輸送機や地球にやさしいエコカーなどの開発には、軽くて丈夫な材料が必要だ。軽くて丈夫な材料として炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が脚光を浴びている。CFRPを安全・安心に利用するためにはその長期信頼性の確保が不可欠だ。当研究室では、CFRPの強さのメカニズムや長期耐久性の予測方法について研究を進めている。画像は、CFRPの典型的な破壊モードである炭素繊維のマイクロバックリングだ。
キーワード
- 複合材料
- 長期耐久性
- 輸送機械
- インフラ構造物
研究紹介
高分子系複合材料の長期耐久性評価法の開発
研究内容
高分子系複合材料のマトリックスとして用いられている樹脂の力学特性は、時間の経過および温度の上昇によって顕著に低下する、いわゆる粘弾性を示す。そして、低温で長時間にわたる樹脂の力学特性の変化が高温においては短時間で生じ、この力学特性の時間依存性と温度依存性の間には「時間-温度換算則」が成立することが知られている。この現象に着目して、高分子系複合材料の破壊メカニズムを詳細に調べながら、複合材料の長期にわたる強度低下を高温で短時間の強度試験によって評価する加速試験方法を開発した。また、マトリックス樹脂の粘弾性力学特性が吸水によって著しく変化することから、複合材料の長期強度に及ぼす吸水の影響を明らかにした。今後は複合材構造物の長期強度に及ぼす荷重履歴や温度履歴などの影響を評価し、実際の使用環境下で実働荷重を受ける場合の長期強度の低下を評価する手法の確立を目指している。
教員紹介
中田政之 教授・工学博士
略歴
専門分野
専門:複合材料、材料力学
学生へのメッセージ
0か1か(できるか、できないか)のデジタル思考ではなく、0.3でも良いから、できるところからやってみよう。途中で諦めずに、成功するまでやり続けよう。
担当科目
工業力学Ⅰ 機械工学専門実験・演習A プロジェクトデザインⅢ(中田政之研究室) 工業力学Ⅱ 専門ゼミ(機械工学科) 進路セミナーⅡ 革新的高信頼複合材料・構造システム基盤研究(中田政之) 複合材料評価技術 高信頼ものづくり専攻統合特論 基礎材料力学特論
研究業績
論文
- Integrated accelerated testing methodology for CFRP durability
- Prediction of creep failure life for unidirectional CFRP with heat-resistant epoxy resin as matrix exposed to high temperature under tension load
- Influence of Carbon Fiber on Statistical Fatigue Life of CFRTP Strands
- Influences of Temperature and Water Absorption on Statistical Creep Failure Time of CFRTP Strands
- Statistical tensile and flexural fatigue lives of unidirectional CF/PP laminates
- Effect of Water Absorption on Statistical Flexural Creep Failure Time of Unidirectional CFRP Laminates
- Statistical Life Prediction for Unidirectional CFRTP under Constant and Cyclic Loadings
- Statistical fatigue failure life of unidirectional CFRP under bending load
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