工学部 電気電子工学科
小山正人 研究室
省エネおよび地球の温暖化防止に貢献するパワーエレクトロニクス技術の研究
クリーンな電力の変換・制御を行うパワーエレクトロニクス機器は、家電・産業・自動車・鉄道・電力のあらゆる分野で使われている。地球温暖化問題やエネルギー供給問題の解決に向け、ますます需要が高まっている。発電(太陽光発電等)、蓄電(電池等)、消費(モータ等)の間で最適な電力のやり取りを可能にするための新しい電力変換装置とその制御方式の開発をめざす。
キーワード
- 電力変換回路技術
- モータ制御/モーション制御
- ワイヤレス給電システム
- バッテリーの充放電システム
- 風力発電システム/太陽光発電システム
ニュース&トピックス
- 2023.09.20大学院生の加納直哉さんが電気学会産業応用部門大会で 「YPC 優秀論文発表賞」を受賞
- 2023.09.01大学院生1人教員2人らが電気学会・産業応用部門「部門論文賞」を受賞
- 2021.03.25『文藝春秋』2021年4月号の「KITキャンパスレポート」に増田翼さんが紹介されました
- 2021.01.06「物語の始まりへ」に黒岩佑輔さんが紹介されました
研究紹介
新構造同期モータの制御方式の研究
研究内容
深見研究室と連携して、新構造の同期モータの制御方式の研究を行っている。
現在、深見研究室では主にHEV/EV用永久磁石同期モータの低コスト化・
高効率化を目的として、新構造の磁束変調型同期モータの研究が行われている。
小山研究室では、本モータの高効率制御方式や回転子位置検出器レス制御などの
研究を行っている。
ワイヤレス給電システムの研究
研究内容
電線を使用せずに電力を送ることができるワイヤレス給電方式(または、
非接触給電方式)の普及に向けた研究・開発が国内外で活発に行われている。
小山研究室では2つのコイルを用いた磁界誘導型の給電システムを対象として、
給電効率最大化制御の研究を行っている。ワイヤレス給電システムでは、
コイル間の距離や負荷の要求電力によって給電効率が変化する。そこで、
これらが変化した場合でも、常に給電効率を最大に保つことができる
制御方式の考案を目的としている。
太陽電池の最大電力点追従制御方式の研究
研究内容
太陽電池は天気によって日射量や温度が変化すると出力可能な最大電力が
変化する。また、複数枚の太陽電池を並べた場合は、電池の一部に影
(部分影)ができても最大電力が変化する。そこで、天気が変化したり
部分影が生じた場合でも、常に出力可能な最大電力を取り出す制御方式
(最大電力点追従制御方式)の研究を行っている。
考案した制御方式の妥当性をシミュレーションによって検証するだけで
なく、太陽電池と電力を取り出すための装置を組み合わせた実験装置を
製作し、シミュレーション結果と一致する実験結果が得られることを
確認することも研究の重要課題としている。
リチウムイオンバッテリ(LIB)の劣化診断技術および長寿命化技術の研究
研究内容
リチウムイオンバッテリ(LIB)は電気自動車や家庭用蓄電池として
利用拡大が期待されている。LIBは充放電回数が増えると劣化し、
放電時間が短くなる。このため、LIBの劣化によって使用上の問題が
発生する前に、LIBの劣化状態を診断できる技術が必要となる。
そこで、LIBの充放電器を用いて劣化診断を行う技術の研究を
行っている。その次の研究テーマとしては、充放電の方法を
工夫することによりLIBの劣化を遅くする技術(長寿命化技術)を
予定している。
本研究は、LIB本体の研究を行っている研究室と共同で実施して
いる。
教員紹介
小山正人 教授・博士(工学)
略歴
専門分野
専門:制御工学、パワーエレクウトロニクス
担当科目
自動制御 電気電子工学専門実験A プロジェクトデザインⅢ(小山正人研究室) パワーエレクトロニクス 電気機器・制御工学研究(小山正人) システム制御工学特論
研究業績
論文
- 磁束変調ハイブリッド界磁モータの原理と基本特性
- 磁束変調ハイブリッド界磁コンシクエント極モータの提案
- 磁束変調ハイブリッド界磁モータのd,q軸モデルに関する考察
- 磁束変調ハイブリッド界磁モータの実機検証
- Study on Charge and Discharge Phenomenon of Lithium Ion Battery under High Electric Field
- The Influence of Applying High Voltage Pulse on Lithium ion Battery
- 磁束変調ハイブリッド界磁モータにおける回転子渦電流損の低減
- Physics-based Model of Lithium-ion Batteries Running on a Circuit Simulator
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