工学部 電気電子工学科
牧野滋 研究室
MAKINO Shigeru
LABORATORY
メタマテリアル技術を用いた最先端アンテナの研究開発
小さな金属を絶縁体の上に周期的に配列することにより、自然界に存在しない物質を人工的に作り出すことのできる「メタマテリアル」が注目されている。研究室では「メタマテリアル」技術を用いたアンテナを研究しており、通常はお椀型のパラボラアンテナを平面で構成した反射鏡アンテナや、金属の上にも張り付けることができる小型薄型アンテナなどの開発に取り組んでいる。
キーワード
- アンテナ
- メタマテリアル
- リフレクトアレー
- IOT用アンテナ
- 衛星搭載用アンテナ
研究紹介
RESEARCH
メタマテリアル技術を用いたアンテナ
研究内容
牧野研究室では,電波の反射位相をコントロールできるメタマテリアルを応用したアンテナの研究に取り組んでいます.
ひとつめは,リフレクトアレーアンテナと呼ばれているもので,通常は曲面で構成される反射鏡(パラボラアンテナなど)を平面で構成できるようにしたものです.これを衛星搭載用大型アンテナに適用すると,従来のパラボラアンテナでは展開構造(衛星を打ち上げるときに折りたたみ傘のように折りたたんで衛星に収納し,宇宙で展開する)が複雑であったために信頼性に問題がありましたが,鏡面を平面にすることにより,展開構造の信頼性が飛躍的に向上します.また,BS受信アンテナなどに適用すると,プラスティックに導電性塗料で印刷することにより製造できるため,きわめて安価なアンテナを実現できます.
ふたつめは,小型・薄型アンテナへの適用です.自動車に搭載されている地デジ用のアンテナは車体から離して配置されていますが,これは,アンテナを金属に近づけると,アンテナが動作しないからです.この問題を解決するのがメタマテリアルで,考案したMACKEYは,周囲に金属が有ろうが無かろうが動作する小型・薄型アンテナです.パソコンや携帯電話などの情報通信機器以外に,さまざまな家電製品に無線通信機能が実装される(IoT:Internet of Things)ようになってきていますが,MACKEYはこれに適したアンテナです.
教員紹介
TEACHERS
牧野滋 教授・博士(工学)
略歴
専門分野
専門:衛星通信、移動体通信、無線通信、アンテナ
担当科目
電気磁気学Ⅱ 電気電子工学専門実験B プロジェクトデザインⅢ(牧野滋研究室) 電気磁気学Ⅰ 電気磁気学Ⅲ 電波工学 通信・電波工学研究(牧野 滋) 無線通信工学特論
研究業績
RESEARCH RESULTS
論文
- Consideration of MACKEY Q type miniaturized with two short-circuit plates
- 新たな構造を用いて薄型化したMACKEY IIの検討とロバスト性の向上
- Reflectarray Antenna Changing Beam Direction by Polarization
- 偏波により異なる方向にビームを放射するリフレクトアレーアンテナの検討
- 金属上での動作を改善したMACKEYの検討
- 920MHz帯レクテナの室内における受電特性
- 成形ビームを放射するリフレクトアレーアンテナについて
- 偏波によりビーム方向の異なるリフレクトアレーアンテナの検討 3
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