バイオ・化学部 生命・応用バイオ学科
平田宏聡 研究室
「力」が細胞機能を調節するしくみを解き明かし、新しい力学医療技術を創出
私たちの体を構成する細胞は、筋肉の収縮や血流などの生体活動に伴う様々な物理的力を受けています。また、個々の細胞自身も力を発生しています。研究室では、これらの「力」が細胞の働きを調節するしくみを分子レベルで明らかにしようとしています。これにより、力で細胞の機能を操作する新しい医療技術の創出を目指します。例えば、力を用いてがん細胞の悪性化を抑える技術の開発などに取り組んでいます。
キーワード
- メカノバイオロジー
- 力学-生化学シグナル変換
- 機械受容
- 細胞機能の力学制御
- ガンの新規力学療法
ニュース&トピックス
- 2024.08.05応用バイオ学科平田教授の研究が第38回「北國がん基金」助成対象に選定されました
- 2023.12.25台湾の認知神経科学研究グループと金沢工業大学で 認知神経科学に関するワークショップを開催
- 2023.11.28がん抑制因子p53の機能低下がもたらす抗がん剤応答への異常を新たに発見
- 2023.04.19平田教授が企画・編集した、多細胞システムのメカノバイオロジーに関する特集号が国際科学誌で出版
- 2023.02.15平田宏聡教授らの研究論文が学際的国際学術誌「iScience」に掲載
教員紹介
平田宏聡 教授・博士(理学)
略歴
専門分野
専門:メカノバイオロジー、細胞増殖、細胞運動、細胞形態形成、細胞接着、細胞骨格
学生へのメッセージ
みなさんはトレーニングで鍛えると筋肉や骨が発達することを経験しているでしょう。逆に、無重力環境の宇宙飛行士や寝たきりの方などでは筋肉が細り骨も弱くなってしまいます。そのような筋肉や骨の細胞だけでなく、私たちの体を構成するあらゆる細胞は生体活動に伴って絶えず様々な「力」を受けています。また、実は1個1個の細胞も自分で力を出しています。研究室では、このような力が細胞の働きにどのような役割があるのか調べ、その仕組みを分子レベルで解き明かそうとしています。また、力を用いて細胞の機能を操作することにも取り組んでいます。がん細胞の悪性化を「力」で抑えられないか、などということまで試みています。物理の「力」と生物の「細胞」を組み合わせて、新しいバイオを一緒に創ってみませんか。
担当科目
基礎生物学Ⅰ プロジェクトデザイン入門(実験)(応用バイオ学科) バイオ・化学基礎実験・演習A(応用バイオ) プロジェクトデザインⅢ(平田宏聡研究室) 生命科学 専門ゼミ(応用バイオ学科) バイオ工学研究(平田宏聡) 細胞情報特論
研究業績
論文
- From stress fiber to focal adhesion: a role of actin crosslinkers in force transmission
- Loss of p53 function promotes DNA damage-induced formation of nuclear actin filaments.
- Actin crosslinking by α-actinin averts viscous dissipation of myosin force transmission in stress fibers
- Anti-Malignant Effect of Tensile Loading to Adherens Junctions in Cutaneous Squamous Cell Carcinoma Cells
- Sphingosine-1-Phosphate Induces ATP Release via Volume-Regulated Anion Channels in Breast Cell Lines
- Coordination between Cell Motility and Cell Cycle Progression in Keratinocyte Sheets via Cell-Cell Adhesion and Rac1
- MMP24 as a Target of YAP Is a Potential Prognostic Factor in Cancer Patients
- Mechanical regulation of bone homeostasis through p130Cas-mediated alleviation of NF-κB activity
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