工学部 航空宇宙工学科

森吉貴大 研究室

MORIYOSHI Takahiro
LABORATORY

柔軟構造エアロシェルとパラグライダによる火星飛行探査

数ある火星探査方法の中から空を飛行する飛行型火星探査を選ぶことでより詳細な火星の情報が得られ、地球との違いから地球の成り立ちなどを推測できる。火星を飛行するには地球よりも薄い大気密度に対応するため、地球の飛行機よりも翼を大きく、機体を軽くする必要がある。そこで畳んで収納できる大面積翼のパラグライダに着目し、実現に向けた翼の改良や飛行特性の研究を風洞実験やフライト実験をもとに行っている。

キーワード

  • 火星探査
  • パラグライダ
  • 柔軟構造
  • 空気力学
  • 航空機力学

ニュース&トピックス

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研究紹介

RESEARCH

超小型衛星BEAKの打ち上げ成功

研究内容

2023/11/10 SpaceX の Falcon 9 により超小型衛星 BEAK の打ち上げが行われました。
現在(2023年12月6日)はISSからの放出を待っており、運用開始を待つ段階にあります。
衛星の運用が開始され次第更新します。

BEAKの紹介:東京大学大学院 新領域創成科学研究科 広報誌「創成」2022年 第39号 p.p. 3
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/assets/files/sousei39.pdf
BEAKのJAXA引き渡し時の写真 (2023/12/5閲覧)
https://spaceref.com/newspace-and-tech/japans-beak-3-unit-3u-cubesat/

大気圏突入技術実証フライト試験

研究内容

大気圏突入技術において機体の減速性能を決める弾道係数には機体の投影面積が大きな影響を持つ。
また、搭載容積の限られたロケットに大面積を持つ機体を搭載することはできないため、必要な時に大きく展開するような大気圏突入システムの開発が求められる。
本研究は、地上における風洞試験からドローンなどを用いた低高度フライト試験、ゴム気球を用いた高高度フライト試験、JAXAの観測ロケットを用いた大気圏外からの大気圏突入試験、さらには超小型衛星を用いた低軌道大気圏突入試験など様々なフィールドを活用した試験を行う。

超小型衛星を用いた低軌道大気圏突入試験は私自身、学生時代にJAXA宇宙科学研究所や他大学と協力して開発した超小型衛星EGG (開発期間:2013~2016 (試作や地上試験機体、フライト試験機体のすべての開発期間を含む)、運用期間:2017/1~2017/5まで)を用いて実施し、世界で初めてインフレータブル式の柔軟構造エアロシェルの軌道上実証に成功した。

凧による空中風力発電

研究内容

風力エネルギーは地表から離れるほど大きくなる。
この大きな風力エネルギを利用する高空風力発電技術は風車型の風力発電にはないメリットを持つため研究が進んでいる。
本研究室ではこの風力エネルギーを利用するために凧に注目し、JAXAとの共同研究を行っている。
またこの凧による発電技術は将来の惑星探査への活用も可能である。特に金星の風は地球よりも高密度の大気で地球よりも早く吹いている。
この大きな風力エネルギを活用できれば大量の電力を使用した探査が可能となる。

JAXAにおける凧発電技術開発の一環として行われた風洞試験の紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=IPb37_-eoRU
一部に私も出ています。

教員紹介

TEACHERS

森吉貴大  助教・博士(工学)

略歴

2013年
3月
石川工業高等専門学校 機械工学科 卒業

2015年
3月
東京農工大学 工学部 機械システム工学科 卒業

2017年
3月
東京農工大学大学院 工学府 機械システム工学専攻 博士前期課程 修了

2021年
3月
東京農工大学大学院 工学府 機械システム工学専攻 博士後期課程 修了

2021年
4月
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 研究開発員 

2023年
4月
金沢工業大学 工学部 航空システム工学科 助教 

学生へのメッセージ

 私は学生の頃、JAXA宇宙科学研究所で火星探査用のパラグライダ実現に関する研究を行っていました。特徴としては畳んで収納できる大きな面積の翼を輸送の難しい火星までもっていくことで、その火星の薄い大気密度の中で飛行に十分な揚力を得られるというコンセプトです。また、火星に探査機を輸送するためには当然、輸送機も必要になります。輸送機には宇宙空間を航行するもののほかに、大気圏に突入するための保護システムも必須になります。その大気圏突入機も私の研究の範疇になります。学生の頃には新しい大気圏突入機の実証機として超小型衛星「EGG」を開発し実験を行いました(2017年)。パラグライダ型の火星探査機や新しい大気圏突入機に興味のある学生さんがいましたら、ぜひ私と研究をしてほしいです。また、火星探査機だけでなく、柔軟な翼を使用した発電システムなども研究していますのでそちらに関して、興味があるということでも歓迎します。もちろん、自身の興味のある内容について研究したいということでも問題ありません。
 また上記でも述べていますが宇宙研時代、研究室で開発していた超小型衛星や観測ロケット実験用の搭載機器の担当をしていました。宇宙研は興味に応じてなんでも参加させてくれる場所でしたが、この金沢工業大学も宇宙研と同様に学生の興味ややる気に応じてなんでも参加させてもらえる場所だと思っています。興味のある学生プロジェクトといった課外活動や研究活動に積極的に参加することでより自分を高めてもらいたいと思っています。

担当科目

流れ学Ⅰ  3D-CAD  航空システム専門実験・演習B  飛行力学Ⅱ  プロジェクトデザインⅢ(森吉貴大研究室)  機械系製図Ⅱ  航空流体力学Ⅱ  専門ゼミ(航空システム工学科)  

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