工学部 環境土木工学科
中野一也 研究室
測量を核とした空間情報取得技術を研究し、その応用範囲を広げて人を社会を豊かにする。
最先端の測量技術では、宇宙からの電波で測位し、画像やレーザ光を使って物の大きさや位置を定めます。それらは、スマホやドローンにも搭載されて身近な計測を実現し、建設分野の効率化などを支えています。さらに航空機などから広範囲な三次元都市モデルを生成し、デジタルツインのサイバー空間の整備に役立っています。これらの技術を深く研究し、空間情報の適材適所な使い方を考えることで安心安全な社会へつなげていきます。
キーワード
- 測量(衛星測位、写真測量、レーザ測量)
- 空間情報処理
- デジタルツイン
教員紹介
中野一也 教授・博士(工学)
略歴
専門分野
専門:空間情報工学, 写真測量, レーザ測量, 土木情報学, 測量・リモートセンシング
学生へのメッセージ
空間情報(Spatial Information)は、いまや当然のようにみなさんも扱う情報の基盤(Infrastructure)となっています。あなたは、これまで行ったこともない目的地にカーナビなどで道案内をされて何事もなく到着できるでしょう。このナビゲーションはGPSなどの衛星測位によって自分の位置を地球上で定め、地図の裏側に整備される道路ネットワークを使って目的地までの最良の経路を探索しながら、例え、指定された角を間違えて曲がらなくても、瞬時に再計算して目的地まで案内してくれます。これらを実現する多くは、空間情報に関わるGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球測位システム)やGIS(Geographic Information System:地理情報システム)などの技術によって支えられています。
これからの運用が期待される空飛ぶクルマやドローン(UAV:Unmanned Aerial Vehicle/Unpiloted Aerial Vehicle 無人航空機)配送などでは、ナビゲーションの経路も三次元になるため、空間情報のさらなる高度な活用や整備が社会を支える重要な役割を担います。
2020年度から国土交通省都市局がまちづくりDXを推進し、最先端の測量・空間情報技術を使って都市を丸ごと三次元モデル化するデジタルツイン(現実空間とサイバー空間の双子)のサイバー空間の整備が進んでいます。これらはオープンデータとして提供され、防災や環境シミュレーションなどたくさんのユースケースが示されながら、活用と整備範囲を広げています。
さらに、建設分野では、スマホやモバイル端末、UAVを用いた測量が作業の効率化、高頻度な情報管理のために活用されています。
これらの空間情報技術は、平常時の計画、設計、施工管理、維持管理などに使用されますが、災害などの緊急時には被災状況の把握や応急復旧のための数量の見積もりの計画、さらに復旧・復興において重要な役割を果たします。
私は空間情報の価値に合致するスケーラブルな解析を思案し、様々な活用を模索します。これらの技術を深く研究し、空間情報の取得と活用に関して適材適所な使い方を考え、応用範囲を広げることで人や社会を豊かにして安心・安全な社会へつなげていきます。学生のみなさんも空間情報をキーとして課題解決する明るい未来への道のりをご一緒ください。
担当科目
測量学Ⅰ 測量実習・演習Ⅰ 測量実習・演習Ⅱ プロジェクトデザインⅢ(中野一也研究室) 測量学Ⅱ 専門ゼミ(環境土木工学科) 情報計画研究(中野一也) Advanced civil engineering 環境土木のフロンティア
研究業績
論文
- UAV搭載型レーザスキャナの精度に関する研究
- Camera-Variant Calibration and Sensor Modeling for Practical Photogrammetry in Archeological Sites.
- 航空レーザスキャナを併用したデジタル空中写真測量におけるセルフキャリブレーションに関する研究
- 異解像度多視点画像を用いた複合型画像計測システムの標定に関する研究
- 近接デジタル写真測量におけるExif情報を用いたカメラキャリブレーションについて
- On improvement of accuracy of airborne laser scanner data using digital images
- ワイヤレスCCDカメラを用いた遺跡測量のリアルタイム化に関する研究
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