大学院建築学専攻博士前期課程2年 足立奈美依さん。
世界的に評価の高い写真家とKIT建築系の学生たちによるコラボレーション写真展が実現し、今、KITのキャンパス内で開催されています。 『もうひとつの現場』と銘打った企画展は、現代美術を作品のみならず作家や創作現場などあるゆる視点から撮影し続けてきた安斎重男氏の写真展を学生たちが自由にプロデュースするという全く新しい試みです。 最初は雲をつかむような状況だった学生たちも安斎氏と対話を重ねながら、彼らが感じる写真家「安斎重男」の世界を3つの見事な空間として創りあげました。
その一つ、大学院2年 足立奈美依さんをリーダーとした『枠』は、世界的な彫刻家であるイサム・ノグチをテーマにした展示エリア。安斎氏の作品を切り取るという大胆な発想で、暗闇の中、学生たちが新たにつくった枠を通して作品を鑑賞するというもの。そしてその枠はファインダーの役割をなし、観る人が安斎氏の写真から何かを感じ想い、またさまざまな角度から好きな作品を見つけられるようになっています。プレオープンの日、「学生たちの素材の使い方は、今後の展示のヒントになった」と安斎氏に言わしめたこの企画展。
自由という難しいルールに挑んだ足立さんたちのかけがえのない経験をインタビューとともにご紹介します。
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大学院建築学専攻博士前期課程2年 上野孝典さん(2025年3月修了)。
歴史的な建造物が多く残る金沢の地で建築を学んでみたいと、栃木県からKIT金沢工業大学建築学科に進学を決めた上野孝典さん。KITでの学びを終え、全国の文化財建造物の保存修理を担う世界で今まさに新しいスタートを切りました。山崎幹泰研究室で取り組んだ集大成の研究テーマは、石川県を対象とした近世社寺建築の絵様について。絵様とは、梁などに施された模様や曲線の彫刻のことで、上野さんはその時代的特徴を明らかにしました。
念願の場所で第一歩を踏み出した上野さんのKIT生活をインタビューとともにご紹介します。
大学院建築学専攻博士前期課程2年 西尾依歩紀さん。
2月、KIT金沢工業大学大学院の修士公聴会が開かれ、教授や後輩たちを前に集大成の研究について発表が行われました。建築学専攻2年の西尾依歩紀さんが取り組んだテーマは、「水を受け継ぐ建築」。建築や都市という人工物を自然の循環を構成する要素として捉え直すことで、真に豊かな生活環境や社会の構築につながるのでないかと、水に着目しそれらが担うべき役割や在り方を問いました。高校生の時に金沢の町を訪れたことがきっかけで建築の道を志したという西尾さん。この土地で学べたことは、まもなく始まる新しい世界でも活かされるはずと話します。
西尾さんが金沢への旅で目を奪われた光景やKITの学びの中で作り上げてきた建築への思いなどをご紹介します。
建築学科4年 藤原彩芽さん。
大学では建築について学びたいと、新潟県からKIT金沢工業大学に進学した藤原彩芽さん。中でも木造建築に興味を持ち、4年間の学びの集大成に選んだテーマは「古民家が人間に与える心理的影響について」。生理反応実験や心理検査などから古民家のもつ魅力を探っています。一方大学に入学してからは陸上競技にも挑戦。怪我が転機となって始めた競歩は記録更新を続けるなど、課外活動でも充実した日々となりました。春からは建設業界で社会人としてスタートを切る藤原さん。
研究に陸上競技にと熱心に向き合う姿をご紹介します。
建築学科4年 皆川真里奈さん。
10月、あかりのオブジェやメディアテクノロジーの融合によって秋の夜を幻想的に彩る「金澤月見光路」が今年も開催されました。これは、金沢の中心市街地活性化をめざしてKIT金沢工業大学の学生たちが学科や学年をこえて取り組んでいるものです。建築学科川﨑研究室では、これまでにない作品に挑戦したいと球体や曲面をキーワードにしたオブジェを新たに制作しました。4年皆川真里奈さんは、月をモチーフにしたデザインを提案。障子紙を7層重ねた直径2メートルの作品は、まさに月が地上に降りたようでした。
今年も多くの人を魅了した金澤月見光路を、皆川さんたちのオブジェを中心にご紹介します。