大学院建築学専攻博士前期課程1年 松井勇介さん。
金沢工業大学が所蔵するおよそ2000点のコレクション「工学の曙文庫」。その中心となるのは、コペルニクス、ガリレオ、ニュートンなど世界の科学者たちの重要な発見、発明を記した初版本です。それらから選りすぐったおよそ130冊が[世界を変えた書物]展と題し、今月、東京・上野の森美術館で開催されます。この展覧会を一般の人たちにも広く親しんでもらいたいと、KITで建築を学ぶ学生たちが展示プランを担当。大学院1年 松井勇介さんがリーダーを務めるのは、人類の叡智を辿る旅の終盤、知の伝承法をインスタレーションで表現する「知の繋がり」です。いろいろなことがゼロからのスタートだったと話す松井さん。
金沢、名古屋、大阪を経て開催される東京展を前にした学生たちの様子を松井さんのインタビューとともにご紹介します。
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建築学科4年 松田協実さん。
地球温暖化やヒートアイランド現象により気温が上昇し、日本の暑熱環境はより厳しくなっています。7月に熱中症で病院搬送された人は全国で4万3千人を超え、まだまだ身体にこたえる厳しい残暑が続いています。そんな中KIT金沢工業大学4年の松田協実さんが取り組む研究は、まちなかでのクールスポットを創出し、人々のより快適で安全な生活環境の提案をめざすというもの。その社会実装の一歩として大学内や近辺にミストファンやグリーンカーテンなどを設置し、実測や意識調査、改善策を検討していきます。
研究を進め、将来は金沢市などに提案、実用化につながればと話す松田さんをご紹介します。
建築学科3年 長谷川航洋さん。
金沢工業大学夢考房建築デザインプロジェクト。建築模型製作やコンペティション活動を通じてデザイン力や表現力、プレゼンテーション能力の習得を目標に活動している課外プロジェクトです。5月に開催されたオープンキャンパスでは、40人余りのメンバーで作り上げた新石川県立図書館の50分の1模型が展示され、大きな注目を集めました。リーダーとして指揮をとった長谷川航洋さん。製作は無謀と言われた中メンバー全員で完成させ、多くの人たちに見てもらえたことにこれ以上の嬉しさはないと話しました。
3Dプリンタやレーザ加工機の活用で、よりリアリティのある作品となった彼らの模型をインタビューとともにご紹介します。
大学院建築学専攻博士前期課程2年 和田 祐人さん。
KIT金沢工業大学では、分野を超えた学生や教員が鹿島建設の技術者とともにセメント系3Dプリンターの技術開発に取り組んでおり、製造過程で二酸化炭素の排出量をゼロ以下にする画期的なコンクリートを使ったベンチを製作しました。このプロジェクトに学部時代から参加している和田祐人さん。和田さんは、友禅流しをモチーフにした複雑な形状をもつベンチを構造的視点から検証しています。昨年、この成果を日本建築学会で発表し若手優秀発表賞を受賞。今年3月には金沢市内の公園に設置され、嬉しさもひとしおだったに違いありません。
研究の様子をはじめ、和田さんの建築への思いをご紹介します。
建築学科4年 中村こころさん(2024年3月卒業)。
KIT金沢工業大学で建築を学び、この春社会人として一歩を踏み出した中村こころさん。お寺や町家など木造建築が持つ温かみに魅かれ、歴史的建築物の建築技法や保存法を専門とする建築学科の山崎研究室を知りKITに進学を決めました。授業のほかに課外プロジェクトやアルバイトでも建築の知識や技術に触れてきた中村さん。念願の研究室で取り組んだ卒業研究テーマは、金沢市内にある寺院の門の歴史的価値の検証でした。
KITで学んだことに自信を持って成長していきたいと話す中村さんをご紹介します。