偉大な研究者は、どの時代でも、生涯教育の体現者であったといえるかもしれません。彼らは、終わりなき道を歩いた人々であり、そこから新しい価値を発見し、創造してきました。私たちが今日、享受できるあらゆる学問体系はその産物であり、それは無限にあるといえるでしょう。諸兄姉の過ごした学園生活の中だけではマスターできえない広大な学問の宇宙が、私たちの前にあります。しかも、日増しにその量と質が拡大、進化しています。小誌は、そうした課題に「ライブラリーセンター」とともに応えていこうとするものです。しかし、小誌の目標は、一分野の専門的な研究成果を発表することではなく、あくまでも現代工学が問われている諸課題に対して、ベーシックな提案をしていくことであるのです。それ以上のことは諸兄姉のフィールドワークにかかわり、諸兄姉が独自に開拓するにちがいありません。したがって誌名「BackUp」は、常に新しい問題提起を行うという意味の支援であり、また同時に、諸兄姉からの新しい問題提起を期待するという意味での「BackUp」です。もちろん、相互信頼のないところに相互交流は生まれようがなく、お互いに研鑚しあうという血の通う向上心も育ちようがありません。したがって小誌は、本学園と卒業生とのツウ・ウェイ・コミュニケーションを通して、生涯勉学の理想を着実に実践するためのメディアと言い替えることができるでしょう。豊かな人間性を基本に、研究への大きな情熱と不断の努力が、ともに小誌「BackUp」を求めあう、そこから確実に新しい展望が切りひらかれていくでしょう。

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