情報理工学部 ロボティクス学科
土居隆宏 研究室
地域の自然資源を有効活用し、持続可能な形で環境と共存するためのロボット技術
里山の農作物、林業資源などを有効に活用し、災害に強く、将来にわたって持続可能な生活基盤を作るためのロボット技術について研究を行っている。野生生物と人間の共存のための獣害対策ロボットや、里山のバイオマス資源を「食べる」ことでエネルギー化して動き続けるロボット、急斜面で建設作業をする多脚ロボット、連結型群ロボットなどのテーマに取り組んでいる。
キーワード
- サスティナビリティ
- 不整地移動
- 災害対応
- 多脚ロボット
ニュース&トピックス
- 2024.07.25「物語の始まりへ」に山﨑楓さんが紹介されました
- 2022.04.22『文藝春秋』2022年5月号の「KITキャンパスレポート」に水田充毅さんが紹介されました
- 2022.02.16「物語の始まりへ」に上原裕太さんが紹介されました
- 2021.05.25「物語の始まりへ」に小川健太さんが紹介されました
- 2021.05.13「物語の始まりへ」に橋本和樹さんが紹介されました
- 2021.02.17「物語の始まりへ」に宮川和也さんが紹介されました
- 2020.10.12「物語の始まりへ」に小谷和也さんが紹介されました
- 2018.05.15研究室の学生5人が第21回ロボットグランプリ「大道芸ロボット競技会」で準優勝
研究紹介
ロボット技術を利用した獣害対策
研究内容
獣害対策には,人里と山との間の緩衝領域の設定と,その付近での継続的な害獣の監視と威嚇が重要である.ワイヤー,ベルト等を伝うことで,凹凸がある環境でも移動が可能な機構と,画像処理を応用したロボットシステムの研究を行っている.
バイオマス回収によるエネルギー自給ロボット
研究内容
森林等のバイオマスが豊富にある環境で、自らバイオマスを回収し「食べる」ことでエネルギー自給できるロボットのコンセプトを提案している。現在枯葉の燃焼熱を利用したロボットシステムの提案と原理検証を行っている。
連結型群ロボットの研究
研究内容
複数のロボットが連結・分離することで、様々な機能を実現するコンセプトを提案している。
蛇型ロボット、ロボットが骨組み構造になるもの等、実機の開発およびシミュレーションによる評価を行っている。
不整地をスムーズに歩行移動可能なロボット台車
研究内容
不整地をスムーズに移動可能な歩行ロボット台車の研究を行う。安定性確保のため4 脚以上の多脚式で、ペイロードを胴体部に搭載可能なものとし、搭載カメラでの移動撮影、建設・農林水産業での資材等運搬、脚部をロックすることによる不整地上における安定な作業台としての使用が可能である。従来の不整地移動機構は、車輪やクローラなどを利用したものが多く、それ単体では不整地での安全な移動・作業を実現することが困難な場合がある。例えば、(1)胴体標高を一定に維持したまま移動する、(2)斜面で胴体を水平に保つ、(3)転倒防止のため、着地面積を広げる、といった動作である.従来の移動機構を用いてこの動作を実現するには胴体部の位置姿勢を変化させるための付加的な機構、アウトリガーなどが必要となり、機構の大型化、複雑化につながる。そこで、本研究では、多脚機構を用いることで、このような移動と作業に適したプラットフォームをシンプルに実現することを目的とする。その制御においては、地形計測のためのレーザーセンサ、胴体の傾きを知るための加速度センサ、ジャイロセンサ、GPS、タッチセンサを使用する。近年、計算機やセンサの小型化・高性能化により、以前は困難であった多自由度の脚機構の制御が容易になってきており、実用化の可能性は高いと考える。
実用化を目指した歩行ロボットの開発
研究内容
多脚歩行ロボットは,不整地を全方向にスリップなしで移動でき,胴体を駆動可能なプラットフォームとして使うことができる.この機能を利用した急傾斜での法面での建設作業を行うロボット開発を行っている.
飛行ビークルのための脚システム
研究内容
ドローン等の飛行ビークルのための着陸装置としての脚機構の提案を行っている。
少ないモータで不整地に適応できる機構をいくつか開発し、飛行と離着陸に成功している。
教員紹介
土居隆宏 教授・博士(工学)
略歴
専門分野
専門:センシング、ロボット工学
学生へのメッセージ
子供のころロボットアニメ全盛の時代ですっかり影響を受けたのと、ものづくりやプログラミング、そもそも科学技術が好きで、気が付くと大学教員になっていました。研究室はロボットを生み出す工場であり、ロボットに関する技術を蓄積するシンクタンクであって欲しいと思っています。みなさんもぜひ研究室に来てロボットを作り、一緒に学んでいきましょう。貴重な体験ができると思います。
今は、多脚型ロボットの、脚の効率的な動かし方や操縦のためのインターフェースの研究、ロボットを連結分離可能にするための構造や部品の規格化についての研究、生き物が食べ物を探して食べて活動するように、ロボットがセンサやアクチュエータを使ってエネルギー源を回収し、継続的に動き続けることができるシステムの開発、マイコンを使った実用的な獣害対策ロボットの開発、等いろいろなテーマに挑戦しています。
担当科目
ロボティクス基礎 ロボット材料力学 ロボティクス数理・演習Ⅰ ロボティクス専門実験・演習A 進路セミナーⅠ プロジェクトデザインⅢ(土居隆宏研究室) ロボティクス基礎(春期集中講義) ロボティクス専門実験・演習B 専門ゼミ(ロボティクス学科) 進路セミナーⅡ 知的システム制御工学研究(土居隆宏) 制御工学特論 生体応用モビリティ特論
研究業績
論文
- 架線移動型害獣対策ロボット
- 胴体部に振動ユニットを搭載した脚型跳躍ロボット
- 多脚ロボットのための振動を利用した脚機構の開発 ―第3報,予備実験および1脚構成での動作試験―
- 多脚ロボットの跳躍動作のための振動を利用した脚機構の開発 ―第 2 報, 振動生成のための制御系とシミュレーション―
- ロボット操縦情報集約のためのwebブラウザを利用した公開インターフェース
- 初年度プロジェクトデザイン教育二科目でのロボット製作を通した取り組み-製作ロボットを用いた異なる評価-
- CDIO Academy 2018:ドローンを活用した国際PBLプログラム
- CDIO Academy 2018:ドローン搭載機構開発のための事前課題
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