工学部 電子情報システム工学科
山口敦史 研究室
「光る半導体」を極低温下で分析し、「半導体レーザ」や「発光ダイオード」などの新しい素子構造を探究
LEDや半導体レーザなどの「半導体発光素子」には未来がある。たとえば「白色LED」の効率がもっと高くなれば、サッカースタジアムの照明にも使われることになるだろう。また、「黄色半導体レーザ」が実現すれば肌色のきれいな高精細ディスプレイが実現するだろう。研究室では、この「光る半導体」を極低温(-270℃)に冷却した極限状態で分析。その結果にもとづいてLEDやレーザの新しい構造を提案している。
キーワード
- LED(発光ダイオード)
- レーザ
- 半導体
- 光・量子エレクトロニクス
教員紹介
山口敦史 教授・理学博士
略歴
専門分野
専門:光物性、価電子帯、窒化物半導体、半導体レーザ
学生へのメッセージ
私は高校時代に宇宙や素粒子の物理の世界に憧れ、大学では物理学科に進みましたが、そこでの勉強で半導体の面白さに気づき、半導体物理の研究室に入りました。その後はずっとLEDやレーザの材料となる「光る半導体」の研究を続けています。LEDもレーザも様々な製品に使われていますが、その動作には「量子力学」という不思議な物理が関係しています。私は半導体の中での電子の動きを量子力学によって理解し、新しい素子のアイデアを出すような研究をしてます。そのために、半導体を極低温(マイナス270℃)に冷やしたり、1ピコ秒(1兆分の1秒)のパルス光を半導体に当てたり、極限的な実験を行って楽しんでいます。趣味は、サッカー観戦(ガンバ大阪ファン)、現代美術の作品鑑賞(知識は全くない)、JR運賃体系の研究です。好きな言葉は「はじまりはいつも今」。何もあきらめることはありません。いつからだって何でも始められますよ。
担当科目
専門教養特別科目(教養としての半導体技術入門) 電気電子工学専門実験A プロジェクトデザインⅢ(山口敦史研究室) 電子工学 専門教養特別科目(教養としての半導体技術入門) 光・電子デバイス工学 専門ゼミ(電気電子工学科) 人間と自然セミナーⅡ(再履修クラス) 光・電子デバイス工学研究(山口敦史) 電気磁気学特論
研究業績
論文
- Absolute evaluation of internal and external quantum efficiencies and light extraction efficiency in InGaN single quantum wells by simultaneous photoacoustic and photoluminescence measurements combined with integrating-sphere method
- Improvement of S/N ratio in simultaneous photoacoustic and photoluminescence measurements by utilizing Helmholtz resonance
- Evaluation of radiative and non-radiative recombination lifetimes in InGaN quantum wells with different ion-implantation damage
- ストライプコアGaN基板上InGaN量子井戸における顕微PA・PL同時ラインスキャン測定
- ヘルムホルツ共鳴利用と光音響セル内空気加圧によるInGaN量子井戸の光音響・発光同時計測のS/N比改善
- 一軸性応力印加によるInGaN量子井戸の偏光制御と変形ポテンシャルの決定
- Evaluation of radiative and nonradiative recombination lifetimes in c-plane InGaN quantum wells with emission colors ranging from blue to red
- Optical properties of nitride semiconductors: quantitative analysis of radiative and non-radiative recombination processes
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