工学部 電子情報システム工学科
野口啓介 研究室
モバイルコミュニケーションの基盤技術を築く:移動通信システム用アンテナと電波伝搬の研究
スマートフォンやタブレットPCなど、モバイルコミュニケーション(移動通信技術)が目覚ましく発展している。その発展を支える様々な技術の中で、移動通信システムを構築する上で重要なアンテナ技術と電波伝搬の把握に着目している。また、近年注目されているエネルギーハーベスティング(環境発電)を効率良く行うためのレクテナ(電力再生器)に用いるアンテナの研究を進めている。
キーワード
- 小形アンテナ
- 移動通信・5G
- 環境発電
- 無線LAN
- 電波伝搬
ニュース&トピックス
- 2024.10.01「物語の始まりへ」に中村紳吾さんが紹介されました
- 2021.03.19学生チームがISAP2020のデザインコンテストでJudges’ Special Awardを受賞
- 2020.11.04「物語の始まりへ」に宮本翔太さんが紹介されました
- 2020.10.05野口教授へのインタビューがウェブサイト「BackUp」に掲載
- 2020.04.20「物語の始まりへ」に坪井聡汰さんが紹介されました
- 2020.01.14『文藝春秋』2020年2月号の「KITキャンパスレポート」に 坪井聡汰さんが紹介されました
研究紹介
移動通信用小形アンテナに関する研究
研究内容
あらゆるものをサイバースペースにつなげるIoTに向けた取り組みが進められており,様々な機器の移動通信を可能とする無線化,モバイル化が必要となっています.モバイル化に必須なハードウエアにアンテナがあり,その小型・高性能化が重要です.その要望に向けた移動通信用小形アンテナの高性能化に取り組んでいます.
アンテナの小型化には電波の送受信に重要となる放射機構と回路特性の解明が重要です.使用周波数の波長に比べてアンテナを小さくしていくと放射に寄与する放射抵抗が小さくなり,アンテナの特性劣化につながります.これを解決するためにアンテナ内部に整合機構を設け,効率よく送受信できる小形アンテナを研究しています.
エナジーハーベスティング用アンテナに関する研究
研究内容
地上デジタル放送(地デジ)や携帯電話の基地局からの電波を受信し電力再生を行うレクテナ用アンテナの研究を行っています.レクテナの整流効率を高めるために,アンテナのインピーダンスをkΩオーダーまで高め,さらに広帯域に渡る周波数に対応して動作するよう,工夫しています.そのような工夫により,日本全国の地デジの85%以上のチャンネルに対応するアンテナなどを研究しています.
教員紹介
野口啓介 教授・博士(工学)
略歴
専門分野
専門:ミリ波、マイクロ波、アンテナ、スマートフォン
学生へのメッセージ
金沢工業大学電子工学科を1990年に卒業しました。その後、「杜の都」仙台の東北大学大学院に進学して“超伝導小形アンテナ”をテーマにアンテナについて学び、1992年に前期博士課程を修了しました。その4月から日立製作所の中央研究所に勤務し、アンテナとは全く異なる大容量光ファイバ通信システムの研究開発を行いました。1995年に金沢工業大学の助手に就任以来、再びアンテナ工学の分野で研究を進めています。出身地である山形県から離れて石川県で長く生活していますが、石川県金沢市は日本海側で食事もおいしく、住み心地が大変良いところと感じています。「守破離」「脚下照顧」を信条として、アンテナと電波伝搬を大きな研究テーマに掲げ、外部との共同研究を進めています。学生の皆さんと共に学び、共に発見の喜びを分かち合いたいと思い、毎日の教育研究に努めています。研究対象として移動通信用小形アンテナ、ウエアラブルアンテナ、車載用アンテナ、電力伝送レクテナ用アンテナなどがあり、B5Gや6Gなど、次世代のシステムに向けた取り組みを進めています。意欲あふれる学生さんがきてくれることを期待しています。
担当科目
技術者基礎 電気電子工学専門実験B プロジェクトデザインⅢ(野口啓介研究室) 専門教養特別科目(教養としての電気電子工学) 電子回路Ⅱ 情報通信システム 専門ゼミ(電気電子工学科) 通信・電波工学研究(野口啓介) 通信・電波統合特論 コーオププログラム コーオププロジェクト