工学部 環境土木工学科

徳永光晴 研究室

TOKUNAGA Mitsuharu
LABORATORY

リモートセンシング技術および地理情報システムを駆使し、環境、植生、災害、土木構造物などの解析に応用

人工衛星、ドローンもしくは地上から得られた可視画像、近赤外画像、熱赤外画像を分析し、植生の変化、土地利用の活用、土木構造物の点検に利活用できる方法を研究している。
最近は、道路脇樹木の健全性を調べるスクリーニングシステムの開発、開発可能地域の分析およびそのマッピング手法の開発、ドローンを活用して、砂防堰堤などの土木構造物の点検の効率化を研究している。

キーワード

  • リモートセンシング
  • 地域環境
  • 植生モニタリング
  • 電子地図・地理情報システム
  • ドローン・水中ドローン

研究紹介

RESEARCH

ドローンを活用した橋梁点検のスクリーニング技術の開発

研究内容

UAV(ドローン)を活用した橋梁点検のスクリーニング技術の開発
橋梁の点検は5年に1度目視点検をしなければならないが、地方自治体では管理する橋梁が多いため、対応するための予算や技術者が不足している。現在のところ、目視点検にUAV(ドローン)を十分に活用できていない。UAVの利用により点検作業の効率化が図れれ、費用の削減や技術者不足を補うことが期待できる。本研究では、UAV(ドローン)を活用して、何がわかり何がわからないのか、その効果を検証している。

ドローンを活用した砂防堰堤の点検の効率化

研究内容

砂防ダムは、地すべりなどで発生した土石流から街を守るために建設されています。日本全国で約9万基あります。これらの土木構造物は点検して、必要があれば補修したり、新規建設をしなければなりません。砂防ダムは山の中にあるので、そのアクセスには、山を登らなければならず、またかならずしも整備された道路があるわけではありませんので、非常困難が伴います。そのため、UAV(ドローン)を活用して、点検の効率化を検討しています。UAVからどのように砂防ダムを撮影すればよいのか。撮影した画像から、どのような情報がどの程度の精度で求められるのかを研究しています。それにより、UAVを活用して点検業務の効率が上がることを期待しています。

水中ドローンやラジコンボートによる橋梁点検

研究内容

水中ドローンやラジコンポートを利用して橋梁、ダム、港湾の点検手法を開発する。従来、水中のコンクリートの状況を確認するのには潜水夫が水中を潜って観察していた。これは多大な労力を要するので生産性を高くすることは難しい。水中ドローンを利用することで、安全にまた簡便に観察できるようになった。また、水面と橋梁の床版が接している橋梁の点検も同様に潜水夫が観察する必要がある。そのため、ラジコンボートに全周囲カメラ、広角カメラなどにより詳細に撮影し、クラック、サビ、たれ、変色部などを確認する方法を研究している。これらのデータから3次元モデルを作成して全体の状況を把握する手法についても研究を進めている。

地理空間情報を活用した土地状況の把握

研究内容

土地利用データ、地形データ、行政区画、建物データなどさまざまな地理空間情報、さらに社会データ、統計データを活用して、地域の状況を地理情報システム(GIS)で把握する研究を行っている。図の左側は、昨今災害が多発しているが、それらに避難所は対応しているのかを分析した。右側は、土地利用の状況を把握し、開発可能な地域などを分析した。これらにより地域活性化に貢献することを期待している。

UAV(ドローン)を活用した稲作生育状況把握

研究内容

UAV(ドローン)を利用して、稲作管理のサポートする手法を開発する。主に次の要素を計測・分析する技術の開発を行う。
稲の高さ・生育状態の確認: 通常指定した場所でのみ、稲高を確認するが、UAVで撮影した画像から3次元モデルを作成し、圃場全体の稲高を分析する。
稲葉の確認:通常指定した場所でのみ、稲葉を色見本と比較して確認するが、UAVで撮影した画像から圃場の任意の場所を比較する。
植生指標の算出: 米のうまみは、水分、アミロース、たんばく質などによって定まる。植生指標とタンパク質量は相関があり、UAVに搭載した近赤外カメラから撮影した画像から、植生指標を算出する。

教員紹介

TEACHERS

徳永光晴  教授・博士(工学)

略歴

1978年
3月
千葉県立 東葛飾高等学校 卒業

1983年
3月
東京理科大学 理学部第一部 応用数学科 卒業

1983年
4月
セントラル・コンピュータ・サービス株式会社 リモートセンシング課 

1988年
4月
東京大学 生産技術研究所 受託研究員 

1993年
9月
画像処理研究所(インドネシア) 短期専門家 

1997年
9月
東京大学 生産技術研究所 講師 

1999年
5月
アジア工科大学院 助教授 

2002年
4月
金沢工業大学 助教授 

2007年
4月
金沢工業大学 環境・建築学部 環境系 環境土木工学科 教授 

2018年
4月
金沢工業大学 工学部 環境土木工学科 教授 

専門分野

専門:地理空間情報工学、地理情報システム、リモートセンシング

学生へのメッセージ

専門は、リモートセンシングと地理情報システムです。リモートセンシングとは、センサを用いて離れて物質を観測する技術です。地球を観測するときには、人工衛星から観測します。もう少し身近な範囲では、ドローンや水中ドローンなどを用います。通常のカメラの他、近赤外、熱赤外、マイクロ波、レーザなどのセンサを使うと、それぞれの特性に合わせて目には見えないものが見えるようになります。これらの技術を使って、土木構造物の状況や環境の状況を把握することができます。地理情報システムは、さまざまなデータを地図にして分析することで、そのデータの持つ意味を理解しやすくします。例えば、災害の状況、環境変化を調べるときにはなくてはならない技術です。これらの技術を活用して新しい価値を創出し、建設業界の生産性を高めたいと思っています。

担当科目

土木数理  空間情報工学  環境土木専門実験・演習B  プロジェクトデザインⅢ(徳永光晴研究室)  環境系数理  生涯学習特別科目(インターンシップ実習)  空間情報工学演習  専門ゼミ(環境土木工学科)  情報計画研究(徳永光晴)  Advanced civil engineering  環境土木のフロンティア  環境土木工学統合特論Ⅲ  

オリジナルコンテンツ

ORIGINAL CONTENTS