バイオ・化学部 生命・応用バイオ学科
佐野元昭 研究室
遺伝子組み換え技術を活用した機能物質の高生産
自然界に存在する微生物の力を遺伝子レベルで解析し、効率よく機能性物質を生産させ環境・医薬分野への応用をめざします。
現在は、麹菌が生産する美白成分として化粧品に利用されているコウジ酸の生産経路解明のため、ゲノム情報を活用して遺伝子の特定をすすめています。また、河川などに含まれる抗生物質を麹菌で分解させ、薬剤耐性菌の発生を防止する技術開発も行っております。
キーワード
- 糸状菌
- 化粧品
- 遺伝子組換え
- 環境浄化
- 転写制御解析
研究紹介
菌体内に物質を取り込むトランスポーター改変によるコウジ酸の高生産
研究内容
コウジ酸は麹菌が生産する美白成分であり,多くの美白化粧品に使用されているが長らく生合成遺伝子は不明であった.麹菌ゲノム解析が終了すると,著者らはその情報を活用することにより,コウジ酸生合成遺伝子(kojA,R,T)の特定に成功した.また,コウジ酸生産阻害となる硝酸ナトリウムの取り込みを行うトランスポーターを破壊することによりコウジ酸の大量生産にも成功した.現在,コウジ酸生合成経路を特定するための解析をすすめられている.
教員紹介
佐野元昭 教授・博士(農学)
略歴
専門分野
専門:遺伝子、麹菌
学生へのメッセージ
麹菌の遺伝子解析を中心に、遺伝子組換え技術を用いた研究を行っております。研究では、次の世代の技術につながるような研究を行えるように心がけております。学生の皆さんは、色々なことに興味をもって学生生活をおくってください。
担当科目
プロジェクトデザインⅡ 遺伝子工学 応用バイオ専門実験・演習B プロジェクトデザインⅢ(佐野元昭研究室) プロジェクトデザイン実践(実験)(応用バイオ学科) タンパク質工学 専門ゼミ(応用バイオ学科) バイオ工学研究(佐野元昭) 分子生物学特論
研究業績
論文
- Cleavage of α-1,4-Glycosidic Linkages by the Glycosylphosphatidylinositol-Anchored α-Amylase AgtA Decreases the Molecular Weight of Cell Wall α-1,3-Glucan in Aspergillus oryzae
- 麹菌のコウジ酸生産制御に関して
- Major involvement of two laccase genes in conidial pigment biosynthesis in Aspergillus oryzae.
- A Glycosylphosphatidylinositol-Anchored α-Amylase Encoded by amyD Contributes to a Decrease in the Molecular Mass of Cell Wall α-1,3-Glucan in Aspergillus nidulans
- Both Galactosaminogalactan and α-1,3-Glucan Contribute to Aggregation of Aspergillus oryzae Hyphae in Liquid Culture.
- Molecular Mass and Localization of α-1,3-Glucan in Cell Wall Control the Degree of Hyphal Aggregation in Liquid Culture of Aspergillus nidulan.
- Aspergillus oryzae strain with improved conidiation after light stimulation
- The Gene of Aspergillus oryzae Involved in Degradation of Formaldehyde and Formaldehyde Degradation in Vapour Phase by Porous Enzyme/Chitosan Nanofibre Composites
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