工学部 環境土木工学科
田中泰司 研究室
災害に強くて長持ちする社会インフラを提供する
本研究室では、土木構造物(橋やトンネルなど)の強さと耐久性を確かめるための技術を開発しています。たとえば、非破壊計測と構造解析を組み合わせて橋梁の強さや寿命を計算したり、新材料を使ったコンクリート構造の開発をしたりしています。このような研究開発を通して、災害に強くて長持ちする土木構造物を提供します。
キーワード
- 防災
- 構造解析
- 耐震構造
- メンテナンス
- 非破壊検査
ニュース&トピックス
- 2024.01.06令和6年能登半島地震に関する調査報告。環境土木工学科と金沢工業大学地域防災環境科学研究所が掲載開始
- 2023.07.11「物語の始まりへ」に寺尾静夏さんが紹介されました
- 2023.03.28寺尾静夏さん、本江舞絵さんが「令和4年度 土木学会中部支部研究発表会」で「優秀講演者賞」を受賞
- 2023.01.13寺尾静夏さんが鹿島建設株式会社との「KITコーオプ教育プログラム」の成果報告会で発表
- 2021.11.11田中准教授へのインタビューが「小泉成史の金沢工業大学インタビュー」に掲載
研究紹介
塩害劣化した橋梁の性能評価
研究内容
日本海沿岸では冬季に季節風によって海水飛沫が運ばれ、建物や橋などに付着します。この海水飛沫に含まれる塩分がコンクリート中に浸透すると、内部の鋼材が錆びて劣化する、塩害という被害が発生します。そこで本研究室では、塩害で劣化したコンクリート構造物の強度を評価する方法を研究しています。正確な評価を行うことによって、安全・安心を確保します。
AIによるコンクリートのひび割れ調査の自動化
研究内容
コンクリート構造物の劣化診断では,ひび割れの状況を把握することが重要です.現在でも目視で発見したひび割れを手描きでスケッチする方法でひび割れ図が作成されており,人手とコストがかかっています.
また,データが不正確であることも問題となっています.そこで,本研究室では,ディープラーニングを用いたひび割れの自動検出技術の開発を行っています.
道路床版の余寿命予測
研究内容
高速道路や国道など、交通量の多い道路の橋梁では、床版という部分(タイヤが載るコンクリートでできた板)が疲労で壊れる現象が起きます。本研究室では、どの床版が劣化が進んでいて、どの床版がまだ余裕があるのかを診断する技術を開発しています。具体的には、写真や弾性波速度分布といった非破壊試験結果を使って、現在の損傷状況を3次元的に推定します。その推定結果を初期損傷として、構造解析プログラムに入力します。その後、疲労解析を行い、床版の余寿命を評価します。得られた余寿命を維持管理計画に反映させることで、ライフサイクルコストの合理化に貢献します。
土木系授業へのIOT・ICT活用に関する研究
研究内容
日本の地方都市で生じている問題を自ら発見し,その問題の解決策を考え出すアクティブラーニングを環境土木工学科2年生の授業で行っている.
限られた授業時間の中で,遠隔にある地方都市の情報収集活動を効率的に行うために,IOT/ICT機器の利活用について研究を進めている.
2019年度には金沢工業大学から約150km離れた石川県珠洲市役所から学内にあるANA AVATARを操作し,市役所の方に授業参加してもらった.このようなIOT機器を使用した際の効果の計測と課題の整理を行っている.また,2020年度には,コロナ禍の中,zoomを使って珠洲市役所の方に講演してもらった.
このように,IOT・ICT機器を授業に活用することによって,これまでには実現しえなかった学びを創出することを狙いとしている.
教員紹介
田中泰司 教授・博士(工学)
略歴
専門分野
専門:維持管理、防災、構造、コンクリート
学生へのメッセージ
研究の醍醐味は、まだ誰も知らないことを自分が最初に発見できること。探検家がジャングルの奥地で秘宝を発見するような高揚感に近いかもしれません。謎解きや推理の要素もあるので、ミステリー好きの人には研究が向いているかもしれません。工学系の研究では、その発見が人類にとって何かしら役に立つことが多いので、自分で研究を楽しみながらも人々の役に立てるというやりがいもあります。学部では研究の基礎を学ぶだけになります。研究の面白さを知るには大学院への進学をお勧めします。
担当科目
構造力学Ⅰ 工業概論 構造設計学 プロジェクトデザインⅢ(田中泰司研究室) 構造力学Ⅱ 修学基礎B プロジェクトデザイン実践(実験)(環境土木工学科) 構造設計演習 専門ゼミ(環境土木工学科) 構造物設計工学研究(田中泰司) Advanced civil engineering 構造力学特論 環境土木のフロンティア