工学部 電子情報システム工学科
伊東健治 研究室
電波の発生に用いるマイクロ波回路と無線電力伝送技術を研究
衛星通信や携帯電話などの無線通信に用いるマイクロ波回路を研究。無線通信に用いる電波を発生させる発振回路、電波に情報をのせるミクサ回路などマイクロ波回路の高度化は、無線通信の発展に欠かせない。研究室ではこれらの回路の研究とともに、宇宙太陽光発電などに必要な無線電力伝送も研究。無線電力伝送の受電素子に用いるレクテナの開発においては、世界トップクラスの整流効率80%を達成し、最小の実装サイズを実現。
キーワード
- 無線電力伝送
- 高周波集積回路
- アンテナ一体回路
- 電波応用
- 量子コンピュータ装置用マイクロ波回路
ニュース&トピックス
- 2024.05.24日本アンテナ株式会社と伊東健治研究室が共同で空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム用レクテナを開発
- 2024.02.20日清紡マイクロデバイス株式会社とマイクロ波方式のワイヤレス電力伝送に最適な高周波整流器ICを開発
- 2024.02.19信州大学宮地准教授との研究グループが無線電力伝送で世界最高の電力変換効率と世界最短の応答時間を達成
- 2024.01.14大学院生の廣瀬裕也さんが無線電力伝送の国際学会で受賞
- 2023.10.17「物語の始まりへ」に廣瀬裕也さんが紹介されました
- 2023.05.31大学院生 廣瀬裕也さんと古谷尚季さんの2名が国際学会で受賞
- 2023.02.16『文藝春秋』2023年3月号の「KITキャンパスレポート」に平井司さんが紹介されました
- 2022.11.02伊東健治教授へのインタビューをBackUpに掲載
- 2022.10.07ミリ波の通信装置にワイヤレス電力伝送の機能を実装したシステムの開発と実験に成功
- 2022.08.29小松郁也さんが電子情報通信学会の「エレクトロニクスソサイエティ学生奨励賞」を受賞
- 2022.07.08桔川洸一さん、麦谷彰彦さんの査読付き論文が、米国IEEEの学会誌に掲載
- 2021.07.14「物語の始まりへ」に安丸暢彦さんが紹介されました
- 2021.07.07「物語の始まりへ」に廣野敦哉さんが紹介されました
- 2021.03.05安丸暢彦さん、桔川洸一さんが国際学会で受賞。 無線電力伝送をテーマにした研究が評価
- 2021.01.29科学技術振興機構と金沢工業大学がオンラインで主催する「金沢工業大学 新技術説明会」で発表します。
- 2021.01.22『文藝春秋』2021年2月号の「KITキャンパスレポート」に安丸暢彦さんが紹介されました
- 2021.01.20「教育としての研究」を推進する金沢工業大学。世界最高効率の無線電力伝送技術を開発
- 2020.09.23マイクロ波(5.8GHz)を用いた無線電力伝送で世界最高の電力変換効率を達成
- 2019.11.16【研究最前線】電波を使った技術で社会に貢献する。無線電力伝送システムの開発に挑戦
- 2019.03.25「物語の始まりへ」に土本隼也さんが紹介されました
- 2016.12.30IEEE(米国電気電子学会)の最高級グレード「フェロー」の称号が授与されました
研究紹介
電波を用いてエネルギーを伝送する無線電力伝送
研究内容
電波を用いてエネルギーを伝送する無線電力伝送は、宇宙空間の静止衛星による太陽光発電の電力伝送(SPS)、太陽電池パネルや風力発電機での近距離の無線電力伝送、駐車場などでの電気自動車への充電など様々な応用が検討されている。このシステムを実用化するうえでの課題は、エネルギー伝送の損失の抑制である。伊東研究室で取り組んでいるのは、無線電力伝送システムの受電素子であるレクテナ(アンテナと整流回路を組み合わせた回路)の高効率化である。このレクテナの高効率化のため、国内の企業、大学、本学野口研究室との連携のなかで、様々な取り組みを行っている。まず、アンテナの高インピーダンス化による整流回路の損失の抑制である。アンテナから高電圧・低電流の電波を取り出し、整流素子に流れる電流を抑え、整流素子の抵抗による損失を抑えている。つぎに、整流素子のOFF時容量により生じる漏れ電流による損失を抑制するフィルタの考案を行っている。これらの工夫により、安価なシリコンダイオードを持ちたレクテナとして、世界トップレベルの整流効率を達成している(2013年、新聞記事)。
現在、さらなる高性能化を図るとともに、様々な用途に展開される無線電力伝送システムに対応したレクテナ・整流回路の研究を行っている。
高周波発振回路の低雑音化
ミリ波・THzミクサの高性能化
教員紹介
伊東健治 教授・博士(工学)
略歴
専門分野
専門:マイクロ波工学
担当科目
情報伝送工学 進路セミナーⅠ プロジェクトデザインⅢ(伊東健治研究室) 電子回路Ⅱ 通信工学 専門ゼミ(電気電子工学科) 進路セミナーⅡ 通信・電波工学研究(伊東健治) 無線通信工学特論
研究業績
論文
- Microwave and Millimeter Wave Rectennas with Gated Anode Diode and Diode on Antenna Topologies
- High Dynamic Range 920 MHz Band Low Power Rectenna With Low Threshold Voltage GaAs GADs
- A High-Dynamic Range 5.8 GHz Band 1 W Rectifier MMIC With Low Threshold Voltage GaAs GADs
- Graded-Index-Fiber-Inspired 3-D Printed Surface Focusing Porous Dielectric Structure With GaAs MMIC Rectenna Toward Millimeter-Wave Wireless Power Transfer Application
- An Integrated Planar Guanella Balun with the Quasi-Coaxial Structure on GaAs Substrate
- 5.8 GHz band 10 W rectenna with GaAs E-pHEMT gated anode diode on the aluminum nitride antenna for thermal dispersion
- AMC動作 基板上の 誘導性高インピーダンス モノポールアンテナを用いる5.8GHz帯大電力レクテナ
- 30GHz Band Double Voltage Rectifier MMIC with the 0.1 μm E-pHEMT Gated Anode Diode
詳しい研究業績はこちら