建築学科4年 皆川真里奈さん。
10月、あかりのオブジェやメディアテクノロジーの融合によって秋の夜を幻想的に彩る「金澤月見光路」が今年も開催されました。これは、金沢の中心市街地活性化をめざしてKIT金沢工業大学の学生たちが学科や学年をこえて取り組んでいるものです。建築学科川﨑研究室では、これまでにない作品に挑戦したいと球体や曲面をキーワードにしたオブジェを新たに制作しました。4年皆川真里奈さんは、月をモチーフにしたデザインを提案。障子紙を7層重ねた直径2メートルの作品は、まさに月が地上に降りたようでした。
今年も多くの人を魅了した金澤月見光路を、皆川さんたちのオブジェを中心にご紹介します。
機械工学科3年 諸岡永晨さん。
8月、電気自動車の省エネレース「ワールド・エコノ・ムーヴ」が開催され、KIT金沢工業大学夢考房エコランプロジェクトは、自作EVの新車輌で鉛電池部門に出場。クラス4位、優秀賞を受賞しました。大会側から支給される同一バッテリーで2時間の走行距離を競うこの大会。ハンドルを握ったのは、3年、諸岡永晨さんです。高校生のときからCFRP(炭素繊維強化プラスチック)に興味をもっていたという諸岡さん。エコランプロジェクト参加と新車輌製作の時期が重なり、一からCFRP製の車体づくりに関わることができたと話します。チームの目標達成は次回に持ち越されましたが、自分たちで作り上げた車で大会に挑んだ経験は、心に大きく刻まれたに違いありません。電気代およそ3円分のエネルギーでどれだけ走れるか?
夢考房チームの挑戦を諸岡さんのインタビューとともにご紹介します。
情報工学科3年 片岡勇央汰さん。
6月に開催された「NHK学生ロボコン2023」。KIT金沢工業大学夢考房ロボットプロジェクトはベスト8で敗退したものの、優勝した豊橋技術科学大学との熱戦が高く評価され、技術賞を受賞しました。毎年ルールが変わり、新しいロボット製作が求められるこの大会。KIT夢考房チームのメンバーで制御班リーダーを務めた片岡勇央汰さんは、次につながる結果は残せたと戦いを振り返りました。
優勝チームを相手に見事な戦いぶりで会場を沸かせた夢考房チームを片岡さんのインタビューでご紹介します。
ロボティクス学科4年 大西真気さん。
7月、フランスで開催された世界最大のロボット・人工知能競技会「RoboCup2023」で、KIT金沢工業大学ロボティクス学科 出村研究室のチームが準優勝しました。世界45ヶ国からおよそ2500人が参加したこの大会。チームHappy Robotは、家庭で人間の生活をサポートする生活支援ロボットの技術開発を目的としている@Home Educationリーグに出場しました。ソフトウェアを担当した大西真気さん。世界大会の貴重な経験は、これからの研究意欲を大きくしたに違いありません。
愛らしい姿はもちろん、今話題の生成AIシステムを4基搭載するなど大西さんたちのロボットの活躍をご紹介します。
大学院機械工学専攻博士前期課程1年 地黄純人さん。
脱炭素化社会の実現に向けて産業分野で発生する未利用エネルギーの再利用や、その回収技術の確立をめざした研究テーマに取り組んでいる学生がいます。KIT金沢工業大学大学院1年の地黄純人さんです。地黄さんは、200℃未満の比較的低温度域における熱エネルギーをなんとか利用できるものにしたいと日々、研究しています。幅広い学びがしたいとKIT機械工学科に入学した地黄さん。自作エンジンという言葉に魅かれて、学部1年次から夢考房エコランプロジェクトに参加、燃費2000kmをめざす省エネカーの製作に仲間たちと励みました。
課外も研究も人と環境に優しいエネルギーについて取り組む地黄さんのKIT生活をご紹介します。
大学院電気電子工学専攻博士前期課程2年 廣瀬裕也さん。
KIT金沢工業大学伊東研究室で、ワイヤレス電力伝送の研究に取り組む大学院電気電子工学専攻2年の廣瀬裕也さん。昨年、マイクロ波から直流への電力変換で世界最高の変換効率を達成して、国際学会でStudent Awardを受賞しました。廣瀬さんは、スマートフォンやドローンの充電に十分な大電力の整流回路を設計。世界記録に達成感を感じながらもさらに改良を重ねて、より効率のいい整流器をつくりたいと先を見つめます。世界トップの研究を学んでみたいと国際高専からKITに編入を決めた廣瀬さん。
無線電力伝送の社会実装をめざし、日々熱心に研究活動を続けている様子をご紹介します。
大学院バイオ・化学専攻博士前期課程2年 山本 繁さん。
岐阜県からKIT金沢工業大学 応用化学科に進学した山本 繁さん。もともと電池に興味を持ち、4年次からは、念願の露本研究室でリチウムイオン電池の正極材料をテーマに取り組んでいます。資源的に豊富な元素を用いるため電気自動車(EV)用などに有望視されており、容量の向上や長寿命化実現を目指して日々、研究にあたっています。学部時代は、学友会で献血推進活動や工大祭のサポートなどにも積極的に取り組んでいた山本さん。
将来は次世代のEV普及に貢献したいと話す山本さんをご紹介します。
大学院環境土木工学専攻博士前期課程1年 伊藤大翔さん。
土木構造物に興味をもち、KIT金沢工業大学環境土木工学科に進学した伊藤大翔さん。防災工学やコンクリートの実験授業が楽しく、また授業のサポートをする先輩たちの姿に憧れ、4年次から宮里研究室に所属。卒業研究として取り組んだテーマは、二酸化炭素を吸い込む次世代のコンクリートと、鉄筋に代わる耐食性に優れたFRP(繊維強化プラスチック)ロッドの付着性についてです。FRPロッドに注目した成果を土木学会で発表。初めて参加した学会で優秀講演者賞を受賞しました。
大学院に進学し、秋の学会発表に向けて一層熱心に取り組む伊藤さんをご紹介します。
大学院機械工学専攻博士前期課程1年 野崎拓海さん。
6月、米国ニュージャージー州で開かれた国際会議に参加したKIT金沢工業大学大学院1年の野崎拓海さん。力不足を感じながらも一つやり遂げたという経験は、今、さらなる研究への意欲につながっています。そんな野崎さんが取り組んでいるのは、5軸ロボット加工機にデジタルツイン技術を構築し、生産性の向上やコスト削減を図ろうというテーマです。子どもの頃からものづくりが好きで、中でもマザーマシンと呼ばれる工作機械への関心がとても高い野崎さん。複雑な機構で難しいことは多いものの充実した研究生活がうかがえます。
いつか新しい機構を備えた工作機械を生み出せたらと話す野崎さんを、国際会議やMEX金沢での様子を交えてご紹介します。
ロボティクス学科3年 前濵桂太さん。
6月、「NHK学生ロボコン~ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会」が開催されました。昨年準優勝のKIT金沢工業大学夢考房ロボットプロジェクト「Team_Robocon」は、今年こそ優勝して世界大会へと、活動に励んできました。毎年新しいルールで行われる学生ロボコン、今年は、世界大会の開催地であるカンボジアの世界遺産、アンコールワットをフィールドに見立て、2台のロボットを操作する輪投げで競います。大会リーダーをつとめたのは、栃木県出身の前濵桂太さん。前日はトラブルに見舞われ、思うような動きが出来ないまま大会当日を迎えたとのことでしたが、予選から見事な戦いぶりをみせ会場を沸かせました。それでも……。
結果は惜しくもベスト8。しかし優勝チームとの熱戦など高い技術力が評価され、特別賞として技術賞を受賞したKITチームを、前濵さんのインタビューで振り返ります。
大学院機械工学専攻博士前期課程2年 成木忠明さん。
大学では機械について広く学んでみたいと、静岡県からKIT金沢工業大学機械工学科に進学した成木忠明さん。入学後、夢考房フォーミュラカープロジェクトに参加してフレーム班として活動しました。その中で切削加工への関心が強くなった成木さん。学部4年次からはヒトと環境に優しい加工技術の構築と新素材工具開発に取り組む加藤研究室に所属し、現在、次世代の材料として注目されている鉛フリー真鍮の加工について熱心に研究を続けています。
先月、米国での国際会議に参加して貴重な経験も積んだ成木さんを映像とインタビューでご紹介します。
大学院建築学専攻博士前期課程2年 新村苑華さん。
高校で学んだ理系の知識を身近な生活の中で活かせる学びがしたいと、KIT金沢工業大学建築学科に進学を決めた新村苑華さん。新村さんが6年間の学びの集大成として取り組んでいる研究テーマは、建物におけるZEB(Zero Energy Building)化の実現をめざした空調システムについてです。地下水を利用した金沢市内のZEBオフィスを研究対象に、竣工から2年以上にわたり取得したデータをもとに、屋内の温熱環境状況や執務者への温冷感アンケート調査を行ってシステムの有効性などを検証しています。研究の成果は積極的に学会で発表、大きな評価を得ています。
将来は、カーボンニュートラルの時代に人々の生活をより豊かにする建築に関わっていきたいと話す新村さんをご紹介します。
大学院電気電子工学専攻博士前期課程1年 吉田喜貴さん。
現在、KIT金沢工業大学大学院1年の吉田喜貴さん。学部4年次から電気電子工学科平間研究室で取り組んでいる研究の対象は、本わさびです。栽培期間が長く、難しいとされるわさびを、学内にある工場で試験栽培を行いながら効率的な栽培方法を探っています。昨年は、植物の健康状態を表すクロロフィルの計測装置の小型化、多機能化に成功し、日本生物環境工学会から高い評価を得ました。
わさびも人間と同じ、個々に特徴があってとても興味深いと話す吉田さんを、ご紹介します。