大学院バイオ・化学専攻博士前期課程1年 安間俊哉さん。
大学では化学について学んでみたいと静岡県からKIT金沢工業大学に進学を決めた安間俊哉さん。学部3年次からは念願のクラスター研究室で研究を続けています。クラスター研究室とは学科横断型のチーム編成で、企業や地域の人たちと社会性のある課題にとりくむもので、安間さんのテーマは病院やホテルのリネンなどを扱う業務用洗濯機の排水浄化技術の開発です。環境にやさしくより衛生的にと、大澤・谷田研究室では、サケなどの魚類の白子からつくられる天然の抗菌物質、プロタミンに注目。また安間さんは、プロタミンをリネンに付与する抗菌処理についても取り組むなど忙しい毎日を送っています。
企業や他学科のメンバーから大きな刺激をうけながら研究に打ち込む姿をご紹介します。
機械工学科3年 佐藤純一さん。
8月末に開かれた「スーパーマイレッジカーチャレンジ広島」は、ガソリン1リッターでどれだけ走れるかを競う公式記録会です。昨年、燃費2487kmを達成し学生優勝した夢考房エコランプロジェクトチーム。
今年は、優勝マシン「ALTiC」に加え、新型車両「Golden Eagle06」も投入、2台体制で挑みました。プロジェクトリーダー・佐藤純一さんを中心に、出来るものはすべて自分たちの手で作ろうと開発したニューマシン。ボディはF1でも採用されているモノコックフレームで軽量化と剛性の向上を図りました。中でも最大の特徴は、プロジェクト初の試み、エンジンのオリジナル設計です。 海外大会を視野にいれた自作エンジン1年目の挑戦。
しかし大会直前の不具合で、佐藤さん達「Golden Eagle06」チームは既成エンジンでのチャレンジを余儀なくされ、大会初日を迎えてもなおエンジンの調整に苦しんでいました・・・。
広島エコラン第1弾!暑さと時間との戦いを越えて走り出した「Golden Eagle06」を、リーダー佐藤さんのインタビューとともにご紹介します。
大学院環境土木工学専攻博士前期課程1年 島野 宗太さん。
彼は、いつでも、どこでも、誰でも簡単に利用できる地図があったら!しかも最新の情報をリアルタイムに地図上に更新できる!そんな夢のようなユニバーサルマップ作成にむけて研究を続けています。彼がめざしているのは、カーナビのような電子地図上に現在地や移動した軌跡などを表示し、文字と音声で適切な経路を指示してくれるという優れもの。そして、誤差も3センチ以内が絶対条件という驚くべき精度の高さです。 精度の異なる3機種のGPS(人工衛星を利用して、自分が地図上のどこにいるのかを正確に割り出すシステム)を駆使しながらの検証実験。さらに、屋根や木々など衛星からの受信が妨げられ軌跡が途切れてしまう場所にはICタグの活用を試みるなど、彼の独創的な研究は、この夏アメリカで開催された国際学会でも欧米の技術者たちを驚かせました。
誰もが安心して快適に利用できる究極の電子地図作成に取り組む島野さんをご紹介します。
機械工学科3年 篠原京介さん。
彼は、8月に行われた「ドリームカップ ソーラーカーレース鈴鹿2006」の大会リーダーです。高校時代からソーラーカー部に所属し、KITのソーラーカープロジェクトに憧れて進学を決めたというソーラーカー大好き人間。
リーダーに抜擢された今年、3年ぶりの表彰台をめざしてみんなで取り組んできました。そして多くのチームが発電量を重視したソーラーカーづくりをしているのに対し、篠原さんたちは、空気抵抗により着目した独自のスタイルを貫き、今年もレースに臨んだのです。結果は・・・?
「表彰台からみえる世界はきっと違うはず。次は必ず勝って表彰台にのぼりたい!」 勝利への信念が形となったオリジナリティ溢れるソーラーカーを篠原さんのインタビューとともにご紹介します。
機械工学科2年 田村 匠さん。
学生のいろいろな活動をサポートする学友会に、ひときわユニークな学生がいます。田村匠さん。彼は、社会人としての経験を経てKITに入学。現在は、学生国際交流委員会に所属し、KITと海外の学生同士の交流を深める活動を積極的に行っています。今夏も、KITが協定するアメリカ4大学から日本語を学ぶために来日した留学生や国立台湾成功大学文化部の学生たちとの交流など、みんなが楽しい思い出をつくってもらえるようにと熱心に取り組んでいました。言葉が通じなくても文化が違っていても彼のまわりはいつも明るい雰囲気でいっぱいです。
学友会活動を通じた多くの人たちとの出会いがとても嬉しいという田村さんをご紹介します。
機械工学科1年 川崎祐さん。
7月に行われた『日本ソーラー&人力ボートレース全日本選手権大会』で、夢考房の人力ボートプロジェクトは、無念のリタイア。本番のレースで走ることはできませんでした。大会当日、ボートの調整に苦しんでいる先輩たちをじっとみつめていることしかできなかったメンバーの川崎祐さん。
人の力のみを動力とする人力ボートに魅力を感じ、入学直後からプロジェクトに参加して3ヶ月。初めて大会の雰囲気に触れ、そして目標をみつけました。「悔しいこの思いをばねにする」。
初めての大会でこれからの自分の方向を見つけ、今、一歩ずつ歩きだしている川崎さんの姿をご紹介します。
建築学科4年 安藤敦子さん。
7月に開催された金澤夕ぐれ祭り。金沢の中心部を会場に様々な催しが行われました。 メーンイベントのひとつ、『光の回廊キャンドルナイト』は、1万本のろうそくで会場を飾るというもの。 そしてこのイベントを、星をテーマにした光のオブジェで一層盛り上げたのが、KIT建築系学科の120名の学生たちです。
4年生の安藤敦子さんは、星のアイディアの提案者。金沢21世紀美術館前や旧県庁舎前の緑地を天空にみたて、人々が星の間を散策するような気分になってもらえたらという発想でした。 本番前日、美術館前の芝生に幾何学的なデザインの真っ白な星が現れました。緑と白のコントラストが美しいモダンなその空間は、日が暮れはじめると星たちが放つやわらかな光によって、今度は幻想的な夏の夜空へと趣を変えていったのでした・・・。
なによりも人に見てもらうことの責任と楽しさを実感したという安藤さん、仲間とともにつくりあげた素敵な思い出をインタビューにのせてご紹介します。
バイオ化学科3年 荒田章観さん。
夏の太陽がまぶしいKITのキャンパスに、子供たちの歓声が響く! 子供たちに科学のおもしろさを知ってもらおうと「KITサマー・サイエンス・スクール」が今年も開かれ、工夫を凝らした19の講座に500名の小・中・高校生が参加しました。小学5.6年生対象『作ってナットク!?理科教室』の先生は、KITバイオ化学科10名の学生たち。昨年に続いての開講で、今年はさらに興味をもってもらえるような内容にしたいと準備を重ねてきました。
メンバーのひとり、3年生の荒田章観さんは、実験やモノづくりを通して知らなかったことを知るおもしろさ、考える楽しさを体験してほしいと、子供たちの鏡や電池づくり、細胞観察を優しくサポートしていました。 実はこのイベント、いろいろなことを発見したのは子供たちだけではなかったようです。
サマー・サイエンス・スクールでのさまざまな表情を追いかけながら、荒田さんが感じた2日間をインタビューでご紹介します。
情報工学科3年 日置 賀津也さん。
彼にとって夢考房人力飛行機プロジェクトの活動は、もはや生活の一部。メンバーの中でも数少ない情報系の学生で、機体に動翼をコントロールするコンピュータを搭載するなど飛行機の安定性向上に取り組んでいます。7月に岐阜県、飛騨エアパークで行われたテストフライト。人力飛行機プロジェクトのユニークな機体が空を飛びました!『二重反転プロペラ・先尾翼機』。プロジェクトがずっとこだわり続けている機体です。
できる限り自分たちの手でつくろうと、炭素繊維強化プラスチックを使った自作パイプにも取り組んでおり、まだまだ未解明な機体の真価を問いたいと活動は止まりません。『独創的な機体で1000mをめざす』。 メンバーの熱い思いを乗せた飛行シーンを、日置さんのインタビューとともにご紹介します。
機械システム工学科4年 楠本 直也さん。
世界が熱狂したサッカーワールドカップ。開催国ドイツでは、もうひとつのワールドカップ『RoboCup2006』が行われていました。自律走行ロボットによるサッカーの世界大会です。楠本さん率いる夢考房RoboCupプロジェクトは、2002年から3年連続中型ロボットリーグ世界第2位の実力チーム。今年は、先のジャパンオープンで、昨年度世界チャンピオンの慶應義塾大学に唯一勝ち星をあげるなど、大きな期待を込めてドイツ、ブレーメンに乗り込みました。しかしそこには、彼らを襲う魔物が・・・。
「自分が経験した中で、最悪の結果」と振り返る楠本さん。しかし4年間のプロジェクト活動は、自分自身を大きく成長させてくれたといいます。今回、本来の動きをまったくできずに力尽きたKITチームの様子とともに、楠本さんがRoboCupプロジェクトから得たたくさんの貴重な経験をインタビューでご紹介します。
ロボティクス学科3年 夫馬 徹さん。
今年も、ABUアジア・太平洋ロボコン代表選考会を兼ねた『NHK大学ロボコン2006』に出場したKIT夢考房チーム。毎年、上位の常連チームとして名を連ね、2002年には日本代表に選出、大会最高賞であるABUロボコン大賞を受賞した実績をもっています。今年のチームリーダーは、3年 夫馬さん。「必ず勝利し、日本代表としてマレーシアに行きたい」と大会に臨みました。
予選リーグは、順調な滑り出し。決勝トーナメント進出を決めた2回戦ではパーフェクトであるVタワーを達成し勝利への士気が上がった直後、予期せぬトラブルが彼らを襲ったのです・・・。
大会後、「自分の言葉に責任をとれなかったことが悔しい」と語った夫馬さん。 アンラッキーな出来事も自ら『刺激』ととらえて精一杯戦い、審査員から高い評価を得たKITチームを衝撃の瞬間映像とともにご紹介します。
大学院材料設計工学専攻博士前期課程1年 池田 典彦さん。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)。重さは鉄の5分の1で、はるかに強い強度をもち、船舶や自動車はもちろん、最新鋭旅客機の主翼など主要部分にも使われはじめている注目の素材です。しかし、新しい材料だけに耐久性などすべてが明らかになっているわけではありません。その研究に取り組んでいるのが、池田さん。
彼はCFRPがどのように壊れていくのかをさまざまな手法で調べることで、CFRPが本来持つ強さを追求しています。最適な設計基準と構造の信頼性が解明されれば、さらに広い分野でのCFRPの普及につながり、エネルギー消費量の大幅な改善も期待できるのです。『材料はものづくりの原点!』。より信頼性の高いCFRPをめざして地道に研究を続ける池田さんをご紹介します。
大学院機械工学専攻博士前期課程2年 田口森太郎さん。
『上空3000mから地上を眺めたあの感動が忘れられない。』そんな学生が今週は登場。 憧れのパイロットを夢途中であえなく断念。航空自衛隊パイロット候補生だった田口森太郎さんが、新しい夢を求めてKITに入学したのは、6年前のことでした。
学部時代は、夢考房人力飛行機プロジェクトに参加、2年次には、飛行記録572.17mを記録しました。そして大学院進学後は、自律型飛行操縦ロボットの開発をめざして研究にとりくんでいます。 これは、小型機から大型旅客機まであらゆる航空機の操縦ができるロボットパイロットの研究です。尽きることのない大空への思い。
東海・北陸地区の大学で唯一導入されている本格的なフライトシミュレータでデータ解析を行う様子や鳥人間コンテストの模様など、さまざまな飛行シーンを織り交ぜてご紹介します。