大学院バイオ・化学専攻博士前期課程1年 安間俊哉さん。
大学では化学について学んでみたいと静岡県からKIT金沢工業大学に進学を決めた安間俊哉さん。学部3年次からは念願のクラスター研究室で研究を続けています。クラスター研究室とは学科横断型のチーム編成で、企業や地域の人たちと社会性のある課題にとりくむもので、安間さんのテーマは病院やホテルのリネンなどを扱う業務用洗濯機の排水浄化技術の開発です。環境にやさしくより衛生的にと、大澤・谷田研究室では、サケなどの魚類の白子からつくられる天然の抗菌物質、プロタミンに注目。また安間さんは、プロタミンをリネンに付与する抗菌処理についても取り組むなど忙しい毎日を送っています。
企業や他学科のメンバーから大きな刺激をうけながら研究に打ち込む姿をご紹介します。
大学院材料設計工学専攻博士後期課程2年 水野克美さん。
味噌や醤油などの醸造に使われている麹菌が、プラスチックを分解する!そんな世界で初めての発見をした学生がいます。水野さんは、学部4年次から大澤研究室で生分解性プラスチック(微生物によって水と二酸化炭素に分解されるプラスチック)の研究に取り組んできましたが、就職を前にした修士課程2年の終り頃、生分解性プラスチックのみならず、私たちの身の回りに見られる一般的なプラスチックも、麹菌のもつ特定の酵素によって分解されることを偶然突き止めたのです。
人体に安全性の高い麹菌がプラスチックの分解に役立つ発見は、いったん社会に出た水野さんを再び研究の道へと戻し、現在は、特定酵素の解明に実験を繰り返す毎日です。
大学院材料設計工学専攻博士前期課程2年 谷田育宏さん。
モノづくりがしたい、でも明確な方向が定まらない・・・。高校3年までの谷田さんは、新素材の開発という夢を持ちながらも進路に迷っていました。そんな時に目にしたKITの学科紹介ビデオ。彼はこの中で、『生分解性プラスチック』(微生物によって分解されるプラスチック)という世界に衝撃を受け、研究者の大澤 敏先生に強く惹かれました。彼の中に進むべき道がみえた瞬間でした。
憧れの大澤教授のもとで、学部4年次から、生分解性プラスチックの研究に取り組んできた大学院2年 谷田育宏さん。現在は、人体に安全な麹菌を使ってその用途拡大を探っています。進化が激しく、予想もしない結果がでるところにも研究の楽しみがあるといいます。5月には研究成果を高分子学会で発表し、またひとつ貴重な経験を重ねました。
情報工学科3年 高橋一志さん。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「未踏ソフトウェア創造事業」。次世代のIT市場を担う独創的な研究者を発掘しようと行われている国家事業です。2005年度の未踏ユース(28才未満対象)に初チャレンジし、19才、全国最年少でプロジェクトが採択された高橋さん。
今年、彼にまた一つ栄誉が加わりました。高橋さんのプロジェクトに対する開発能力、あふれる才能、そして若さに対し、『天才プログラマー/スーパークリエータ』という称号が与えられたのです。国が認めたソフトウェア関連分野での天才!
5月に行われた授与式の模様をご紹介するとともに、顔を紅潮させこれを機会にさらに飛躍したいと話す高橋さんをご紹介します。
大学院電気電子工学専攻博士後期課程2年 津田敏宏さん。
電気主任技術者試験(電験)の資格取得という大きな目標をもってKITで学び、その達成にむかって充実した日々を送っている人がいます。津田さんは高校時代に、KIT在学中に電験第一種に合格した母校の先輩の存在を知りました。その先輩とは、KITの深見正教授です。『電気系の司法試験といわれる超難関資格を学生時代に取得した人がいる!』深見先生の存在は、津田さんにとって憧れとなり目標となりました。学部2年次に第三種取得、そして今年1月、最終合格率およそ5%という第二種の合格を手にすることができたのです。
また学会や論文発表も積極的で、目標をもった学生生活は、彼を大きく成長させています。次はいよいよ、『KIT在学中に第一種合格をめざす!』
憧れの存在にさらに近づきたいと意欲をみせる津田さんをご紹介します。
環境化学科2年 和田祐一郎さん。
今週の主人公は、3月にKITの短期英語研修プログラムに参加し、ニュージーランド ユニテック工科大学で4週間の語学研修とホームステイを体験した学生です。和田さんは、大学では環境系を学びながら独学で英語を勉強し英検2級を取得。勉強法はというと、『音読』。声に出して何度も何度も英文を読むことで、英語のリズムに慣れ、耳から入る英語が理解できるようになったといいます。
海外滞在という貴重な経験でますます英語が好きになるとともに、語学力向上の思いをさらに強くした和田さん。
国際的に活躍できる環境系の技術者めざし意欲的な日々を送る和田さんを思い出いっぱいのNZの写真とともにご紹介します。
ロボティクス学科3年 財津 賢一郎さん。
高校時代に見つけた夢の実現のためKITに進学し、夢考房で義手開発のプロジェクトを立ち上げた学生がいます。 彼は、偶然目にした戦争のドキュメンタリー番組の中でみた少女の笑顔に心を打たれ、『自分も人に笑顔を与えられる仕事がしたい!』と、今、筋電義手の改良開発に取り組んでいます。
筋電義手とは、筋肉から発生する微弱な電流を利用して手の動きを再現しようというもので、日本は欧米に比べて、開発・普及が遅れているのが現状です。 プロジェクト活動を始めてから1年半、まさにゼロからの出発で試行錯誤の毎日ですが、学科でロボットを学び、プロジェクトで福祉分野での応用を追求するという充実した大学生活は、着実に財津さんを成長させているに違いありません。
義手開発のきっかけとなった忘れられないシーンを表情豊かに話す財津さんを、同じ目標をもって意欲的に活動するプロジェクトメンバーとともにご紹介します。
電気電子工学科3年 原 洋平さん。
5月初め、秋田県大潟村で開催された『2006 World Econo Move』。
わずか3円分の電気を使って2時間でどれだけ車を走らせることができるかを競う省エネカーの競技大会です。
夢考房エコランプロジェクトは、この大会に出場するためEVエコランリーダー 原 洋平さんを中心に1年かけて新型の小型電気自動車、Golden Eagle 06EVを製作。
目標75キロ!を掲げて大会会場に乗り込みました。
大会前日の公式練習、Golden Eagleは、残り30分まで新記録の期待ももてる快調な走行を見せていましたが、59キロ地点で突然の失速。
この反省を明日の本番で生かそうと、メンバーたちは心に誓っていたはずでした・・・。
前日の快晴から一転、当日は激しい風雨が襲う悪天候。レースの開催さえ心配された中、原さんが下した決断とは?
『記録よりも大切にしたかったこと』について思いを話す原さんを、メンバーたちの活動の結晶、Golden Eagle 06EV の走りとともにご紹介します。
大学院情報工学専攻博士前期課程2年 鈴木碧さん。
『知らない曲やアーティストであっても、自分が求める音楽を自由にお店で選ぶことができたら!』。鈴木さんが研究しているのは、音楽の明るさを数値で表わすという画期的なもの。つまり、お酒のラベルに甘口、辛口などの表示があるように、曲にも指標となる表示があれば、アーティスト名やジャンルにとらわれることなくその時々の気分にあった音楽が探せるというものです。
鈴木さんは大阪芸術大学の学部時代に出会ったこの研究テーマを、指導してもらった恩師のもとでさらに深めたいとKIT大学院へ進学。彼女の挑戦はまだ始まったばかりですが、未知なる可能性を秘めた研究に充実した毎日を送っています。
私たちの音楽の世界を広げてくれる世界初の研究に取り組む鈴木さんを、指導にあたるメディア情報学科 山田助教授のインタビューを交えてご紹介します。
大学院環境土木工学専攻博士前期課程2年 久保田憲さん。
コンクリートの世界に新風を吹き込むべく研究に取り組んでいる学生がいます。子供のころから高速道路の橋脚や新幹線工事などを間近で見てきた彼は、「地図に残るモノをつくりたい」とKITに進学、学部4年次ではコンクリートの腐食の要因となる塩害について研究しました。
しかし研究活動を続けるうち、興味は目に見えない微細なものへと移り、大学院ではコンクリート材料そのものに注目。現在は、劣化しにくく塩害にも強いと期待される『高性能繊維補強セメント系複合材料』について研究を重ねる毎日です。「研究を社会に広めていくことも工学の大きな責任」と、夏にはシンガポールで開かれる国際学会に参加予定。
新材料のパイオニアに!と希望をふくらませる久保田さんをご紹介します。
情報工学科3年 川口直也さん。
次代のIT市場を担う若手研究者の発掘・育成を目的とした『未踏ソフトウェア創造事業』。第一線の研究者が応募する中、昨年、最年少20才でプランが採択された川口さん。採択者の平均年齢、30.1才の中での快挙です。
中学時代は、コンピュータ部に所属していましたが、プログラミングを本格的に始めたのはKIT入学後。変化の激しい世界だからこそ、大学では専門分野の勉強はもちろん人間性や社会性なども身につけたいと充実したキャンパスライフを送っています。「起業してORACLEやGoogleなどの創業者のようになりたい。」
大きな夢を掲げてITの世界に挑む川口さんの姿を、先週登場の高橋一志さんをはじめ同志のコメントを添えてご紹介します。
情報工学科3年 高橋一志さん。
寮の自室にはパソコン7台、授業にはマイ・キーボード持参というユニークな学生が今週の主人公。 彼は学部2年次のとき、独立行政法人 情報処理推進機構が、次世代のIT市場を担う独創的な研究者を発掘しようと行っている事業「未踏ユース(28才未満対象)」に初チャレンジ。19才という最年少でプランが採択されたコンピュータテクノロジーのツワモノです。
高校時代からフリーソフトを作り続け、高橋さんにとってパソコンは、もはや食事や睡眠と同じこと・・・と、彼の口から飛び出すコメントには驚きの連続ですが、そんな彼も憧れる伝説の人とは?
快挙を成し遂げたプランをはじめ、同じく未踏ソフトウェア創造事業(一般部門)に採択された友人が語る高橋さんの横顔など、見所聞き所いっぱいでご紹介します。
情報工学科4年 能塒淳さん。
「福祉用配膳ロボットの開発」。この春、渋谷工業に就職した能塒さんの卒業研究テーマです。プログラミングという仮想空間の中でのシステム。福祉施設の食堂を想定したロボットで、高齢者が使いやすいようタッチパネル形式のディスプレイを搭載し、好きなメニューの画面に触れるだけでロボットが目的地まで料理を運んでくれるという、まさにこれから日本が迎える高齢化社会に即した内容です。
本格的な情報の勉強はKITに入学してから。知識を得るにつれ人間とコンピュータをつなぐプログラミングに興味をもち、必要な言語の習得など勉強を重ねてきました。システムエンジニアとして、くらしに役立つ製品を生み出すサポートをしたいという能塒さん。
大学生活の集大成となった工学設計Ⅲ(卒業研究)公開発表審査会の様子をまじえてご紹介します。