大学院情報工学専攻博士前期課程2年 大味優樹人さん。
IT技術を使って人々に役立つものづくりがしたいと、KIT金沢工業大学情報工学科に進学した大味優樹人さん。学びの集大成として取り組んだ研究は、全国の道路施設の点検データを活用した橋梁の効率的な維持管理に向けたシステム構築について。内閣府の国家プロジェクトです。老朽化が進む全国の橋梁の現状に人口分布や交通量などのデータを集約し解析、補修優先度が示されるシステムです。学業以外でもソフトウェア開発を請け負うなど技術を高めてきた大味さん。
春からは技術者として社会にはばたく大味さんをご紹介します。
メディア情報学科4年 滝野駿さん。
今年も多くの人たちを魅了した「金澤月見光路」。これは金沢の中心市街地を元気づけようと、毎年、金沢工業大学で建築を学ぶ学生たちが様々なあかりのオブジェを製作・展示しているものです。
今年はメディア情報学科の学生たちも参加。彼らは、加賀友禅をモチーフにしたデジタルイメージに、最新のセンサ技術Kinectを使って体験型コンテンツを作り上げ、大きな注目を集めていました。コンテンツ制作を担当した滝野さん。子供から大人までが楽しそうに体験する様子に、制作中の苦労も吹き飛んだようでした。
幻想的な世界に最先端技術を織り込んだ学生たちの取り組みを、滝野さんのインタビューでご紹介します。
建築都市デザイン学科4年 燒田省吾さん。
9月、金沢21世紀美術館やしいのき迎賓館など金沢市の中心部をあかりのオブジェで彩る「金澤月見光路2011」が開催されました。これは中心市街地を活性化しようと、金沢工業大学で建築を学ぶ学生たち150人が地域住民と協力して毎年行なっているものです。燒田さんは、学部2年次から月見光路プロジェクトに参加。今年は、数百本の竹とLEDを組み合わせた新作オブジェの担当リーダーです。今回のテーマである「つながる」からイメージを膨らませデザインを完成させました。
今年も多くの人々を魅了した「金澤月見光路」。
大小2000個のあかりが、夜の金沢を幻想的にライトアップした様子を、燒田さんのインタビューでご紹介します。
機械工学科4年 清水 和浩さん。
小型レーシングカーを学生自らが企画・設計・製作し、ものづくりの総合力を競う「全日本学生フォーミュラ大会」。2年ぶりに出場した夢考房フォーミュラカープロジェクトの目標は、車輌性能を競う動的競技にすべて出場すること。その絶対条件となる車検を順調にクリアし、幸先の良いスタートを切ったKITチーム。サスペンション班兼ドライバーの清水さんの表情にも翌日から始まる動的競技への大きな期待感が表れていました。しかし、動的種目のクライマックスともいえる「エンデュランス」でアクシデントは起きたのです・・・。
メンバーたちの熱き思いが込められた朱色の車輌を、清水さんのインタビューとともにご紹介します。
建築学科4年 谷崎創太さん。
都市の中心部に大規模な緑地帯をもつ、石川県金沢市。全国的にもめずらしいこの地形をモデルに、ヒートアイランド現象による熱帯夜の緩和策について研究している学生がいます。
金沢市内では、夏季の夜間でも比較的冷たい空気の流れが発生することがわかっており、谷崎さんが所属する円井研究室では、冷気流の発生時間や影響を調べることで、新たな都市計画に反映させたいと考えています。
8月上旬、谷崎さんは、研究室の仲間たちと冷気の温度や流れの強さなどを計測する夜通しの調査を2日間にわたって行いました。
真夏の夜に行われた実測調査の様子を谷崎さんのインタビューとともにご紹介します。
機械工学科3年 吉原光彦さん。
1リッターのガソリンでどれだけ走行できるか? 8月、広島県で燃費の限界を競う省エネカーの競技会が開催されました。過去の大会で、2487km/リットルを記録している夢考房エコランプロジェクト。
今年こそオリジナルエンジン搭載車両で記録を塗り替えたいと、大会リーダーの吉原さんをはじめメンバーたちは活動を続けてきました。無線通信機能の初導入など電装系を中心に改良を加え、車体の色を白にするなど暑さ対策にも気を配り臨んだ広島大会。しかし今年は、大会初の雨の中でのスタートとなりました。
天候に翻弄されながらも果敢にレース挑んだ夢考房チームを、吉原さんのインタビューと合わせてご紹介します。
ロボティクス学科3年 橋本知明さん。
8月、兵庫県神戸市でレスキューロボットコンテストが開催されました。これは、大地震で倒壊した市街地を模擬した6分の1スケールのフィールドで、遠隔操作のロボットにより要救助者に見立てた人形を救助する競技です。実践的な救助活動システムやロボットが、毎年関係者から高い評価を得ているKIT夢考房メカニカルサポートプロジェクト。
橋本さん率いる今年のチームも、現場の情報が共有できるマップシステムや携帯型遠隔操作機器など、更なる進化と工夫が見られ、会場内から熱い視線が注がれました。
コンテストでは、レスキューシステムの研究開発に対する業績を表彰する竸基弘(きそいもとひろ)賞の奨励賞を受賞した夢考房チーム。
今年も、実際の現場を想定したロボットやシステムを作り上げコンテストに臨んだ夢考房チームを、橋本さんのインタビューとともにご紹介します。
電気電子工学科3年 竹中健太さん。
KIT夢考房ソーラーカープロジェクトが製作を進めていた新車両「Golden Eagle5」が完成。
8月、鈴鹿で開催されたFIA国際自動車連盟公認の世界最高峰のソーラーカーレースに挑みました。ソーラーカーの実用化をめざした車両は、学生自ら設計・製作。作れるものは、すべて自分たちで!の信念を貫いた「Golden Eagle5」ですが、製作計画の大幅な遅れから不安を抱えたままの大会参戦となってしまいました・・・。
大会エントラントを務めた竹中健太さん。鈴鹿に向けチームを率いた期間は、嬉しいこと悔しいこと様々な出来事があったと振り返ります。
竹中さんのインタビューを、彼らが作り上げた新車両とともにご紹介します。
建築都市デザイン学科4年 水口慎也さん。
7月末、茶屋街や町家など金沢の情緒が感じられる浅野川界隈で、伝統文化や食など金沢の魅力を紹介する「かなざわ燈涼会」が開かれました。金沢工業大学で建築を学ぶ学生たちが中心となって取り組んでいる月見光路プロジェクトも参加し、あかりのオブジェと趣き深い音色で訪れた人々を幻想的な世界へと誘いました。
音での空間演出に取り組んだのは、土田研究室に所属する水口さん。今回、「月の囁き」をテーマとし、イメージしたさまざまな音を研究室の仲間たちと作り上げました。
音を使って人々を魅了する楽しさを感じている水口さんを、燈涼会や工夫を凝らした音作りの様子とともにご紹介します。
大学院バイオ・化学専攻博士前期課程2年 大城浩徳さん。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)。これは、スピーカー材料や電源がなくてもデータ保持が可能なメモリへの応用が期待されているポリマーです。しかし3つの結晶構造が存在する特異な性質をもっており、通常は別々の溶媒を使って作製されていました。
大学院でバイオ・化学を専攻する大城浩徳さんは、1つの溶媒から3つの結晶構造の作製に成功。高分子学会でも高い評価を得た彼の研究は、将来、画期的な製品誕生への大きな礎となりそうです。
謎が多いからこそやりがいがあると、研究のおもしろさを話す大城さん。研究室での様子などをインタビューとともにご紹介します。
大学院バイオ・化学専攻博士前期課程2年 綱達也さん。
保湿効果に優れ、肌の健康面からも注目されている日本酒。スキンケア商品やお風呂などにも使われたりしていますが、その鍵となる成分を多く含む日本酒の醸造に成功した学生がいます。綱さんは、仕込みの段階で肌の保湿に良いとされるαエチルグルコシドの高含有に成功。今後、学術的な理論が確立されれば、日本酒の新たな可能性に対する大きな進歩となりそうです。
来春からは、食品関連企業で研究開発に携わるという綱さん。技術者として社会に貢献したいと夢を話す綱さんをご紹介します。
大学院電気電子工学専攻博士前期課程1年 千葉開さん。
強度や耐熱、耐衝撃性に優れた特徴をもつことから、防弾服や防護服などに使われているパラ系アラミド繊維。これに、導電性という付加価値をつけた材料の研究に取り組んでいるのが、千葉さんです。
千葉さんが所属する大澤研究室では、プラズマ処理を利用した画期的な方式を使ってアプローチし、これまで問題点とされていた繊維の劣化改善も見込める放電の発生に成功、次世代導電性繊維の普及に向け期待が高まっています。未知数の研究だからこそおもしろい!と話す千葉さん。
プラズマを利用したエレクトロニクスの見地から繊維の開発に取り組む千葉さんをご紹介します。
ロボティクス学科2年 葛和佳倫さん。
災害救助用ロボットの設計・製作に取り組む、KIT夢考房メカニカルサポートプロジェクト。彼らがめざすのは、遠隔操作による救助ロボットの製作と操作・運用方法の確立です。その検証の場として毎年出場している「レスキューロボットコンテスト」が、8月、神戸で開催されます。実際の現場を想定した活動システムが高い評価を受け、2年連続で消防庁長官賞を受賞しているKITチーム。
今年も、葛和佳倫さんたち2年生が中心となって製作したロボットは、現場やロボットの位置情報を共有できるマップシステムの導入などさらなる進化がみられます。
一日も早い実用機完成を大きな目標に活動を続けるメンバーたちをご紹介します。