大学院バイオ・化学専攻博士前期課程1年 安間俊哉さん。
大学では化学について学んでみたいと静岡県からKIT金沢工業大学に進学を決めた安間俊哉さん。学部3年次からは念願のクラスター研究室で研究を続けています。クラスター研究室とは学科横断型のチーム編成で、企業や地域の人たちと社会性のある課題にとりくむもので、安間さんのテーマは病院やホテルのリネンなどを扱う業務用洗濯機の排水浄化技術の開発です。環境にやさしくより衛生的にと、大澤・谷田研究室では、サケなどの魚類の白子からつくられる天然の抗菌物質、プロタミンに注目。また安間さんは、プロタミンをリネンに付与する抗菌処理についても取り組むなど忙しい毎日を送っています。
企業や他学科のメンバーから大きな刺激をうけながら研究に打ち込む姿をご紹介します。
次世代ディスプレイ素材としてはもちろん、家庭用照明への注目も高まっている有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)。 太陽光に近く人の目に優しいといわれ、蛍光灯にかわる照明として期待されていますが、発光効率や寿命の向上がさらに求められています。その問題解決のため、大学院2年 今村彰宏さんが取り組んでいるのは、有機ELの高性能化について。より多くの光が発生するための研究を材料などの面から考えています。
所属する三上研究室では、常に先を見据えながら研究に取り組んでいく大切さを学んだという今村さん。
太陽光エネルギーで走る車づくりをめざして開催されている「DREAM CUP ソーラーカーレース鈴鹿」。今年で17回目を数え、国際自動車連盟公認の世界最高峰のソーラーカーレースです。
これまで優勝をはじめ幾度も上位に名を列ねてきた夢考房ソーラーカープロジェクトですが、今年、彼らの車輌はそこにはありませんでした。 学内で行われた出場を決める審査に製作が間に合わなかったのです。大きなショックを隠せなかったメンバーたちでしたが、悔しさをバネに大会を視察、一人一人がその目にレースを焼きつけ、車輌を完成させました。
金沢の中心市街地を幻想的なあかりで演出する月見光路が今年も開催され、金沢工業大学建築系の学生たちによって制作された10種類のオブジェ が、大勢の人たちを魅了しました。熱海さんが仲間とともに担当した「あかり路」は、毎年、道行く人たちの足元を優しく照らす行灯型のオブジェです。
今年は、より耐久性のあるものを作りたいと、地元の企業から協力を得て土台制作にとりかかりました。熱海さんたちにとって、職人の技を目の当たりにしながらの 作業はとても大変でしたが、プロの世界を知る貴重な経験になったと振り返ります。
金沢らしさを織り込んだ80基のあかり路をはじめ、今年も人々を幽玄の世界へと導いた美しい光のオブジェをご紹介します。
私たちの生活になくてはならない道路、鉄道、ダムなどのコンクリート構造物。 近年、その維持・管理の必要性が大きく求められています。星野さんは、コンクリートに繊維シートを貼り付ける補強法をさらに進化させた研究にとりくんでいます。従来とは違った繊維シートを用いることで、一度にいろいろな方向からの荷重にも耐えうる補強方法を企業と共同で研究してるのです。子供の頃から土木に興味をもっていた星野さんですが、KITの宮里研究室で出会った先輩たちが、彼の学ぶ意欲を一層強くしてくれたといいます。
10月9日の放送は、自然に立ち向かい、人間の豊かな生活を実現する土木の研究に誇りと情熱をもって取り組む星野さんをご紹介します。
金沢の夜を3000個のあかりを使って演出する「月見光路」が今年も始まりました。これは、金沢工業大学で建築を学ぶおよそ180名の学生によるライトアップイベントで、今年5回目を迎えます。この企画に初めて参加した、西垣光さんは、「花あかり」の担当。花をモチーフにした新作オブジェです。
インテリアコーディネーターに憧れたのが、建築を学ぶきっかけとなり、北海道からKITに進学しました。 学びの中で身についたプレゼンテーション能力や仲間たちと研究に取り組む経験は、月見光路でも大いに活かされているはずです。見に来てくれた人たちが感動してくれるような空間にしたいと話す西垣さん。
10月2日の放送では、本番に向けて仲間たちとオブジェづくりに取り組む様子をインタビューとともにご紹介します。
7月、琵琶湖で行われた鳥人間コンテスト。大空に飛び出したKITの人力飛行機を特別な思いで追いかけるメンバーがいました。3年 樋口了慈さんです。彼は、今大会、炭素繊維強化プラスチックを使用したパイプの設計・製作を担当するFRP班のチーフでした。まさに飛行機の骨組みにあたるところですが、相次ぐトラブルで製作スケジュールはかなりの困難を極めていたのです。
飛行機が飛ぶ不思議を知りたくて、KITに進学。夢考房人力飛行機プロジェクトに参加したものの、まさにゼロからのスタートで、仲間とともに試行錯誤の連続だったといいます。それでも琵琶湖で飛行機を飛ばすことは、何ものにも代え難いくらいの魅力だという樋口さん。琵琶湖を飛び続けた夢考房チームを、インタビューとともに振り返ります。
1年をかけて作 り上げたチームこだわりの二重反転プロペラ・先尾翼機。テストフライトでは主翼が折れるなど幾度も大きなトラブルに見舞われていました。 不安を抱えたままむかえた本番、プラットホームから飛び立った機体は、メンバーひとり一人の思いを乗せ大空を飛び続けました。
夢の舞台に出場した夢考房チームをインタビューとともにご紹介します。
8月、省エネカーによる燃費競技大会「第12回スーパーマイレッジカーチャレンジ広島」が開催されました。学生自身で製作したオリジナルエンジン搭載車両で出場した夢考房エコランプロジェクトチーム。今大会にあわせてエンジンの改良による高効率化などに取り組んできましたが、最初からトラブルの連続。公式記録に認定されないまま時間だけがどんどんと過ぎていく状況に、リーダーの落合佑也さんをはじめメンバー達の焦りも高まるばかりでした・・・。 しかし、見事な大逆転! タイヤのバーストやボディの破損などトラブルに襲われながらも、最後のアタックで2166.8kmの記録をだし、大学クラス優勝を果たした夢考房チームの熱い、暑い広島大会をお伝えします。
8月に神戸で行なわれた「レスキューロボットコンテスト」。大規模な災害発生時に活躍するレスキューロボットの製作を通じ、レスキュー活動や技術 の向上をめざして毎年行なわれています。書類審査や予選を通過し会場に集まった12チームの中に、夢考房メカニカルサポートプロジェクトの姿がありまし た。
被災者にみたてた人形3体を、いかに早く安全に救出できるかを競いますが、八木翼さんをリーダーとする今年のKITチームは、あきらかに他チームと 一線を画す強いこだわりがありました。それは、ロボットだけで被災者の発見から救助、搬送までをこなしてしまおうというものです。ヘリコプターに見立てた空中からのカメラを使用せず、より現実的なレスキュー活動を想定した彼らのロボットは、大会関係者からも大きな注目を浴びました。
レスキュー隊の相棒とな るようなロボットづくりをめざしたいという八木さんたちKITチームの奮闘ぶりをご紹介します。
8月初め、金沢工業大学の呼びかけで、3大学対抗ロボット競技交流会が小松市で開かれました。参加したのは、過去、NHK大学ロボコンで優勝経験をもつ東京大学と長岡技術科学大学チームです。
「NHK大学ロボコン2007」で優勝し、2008年はまさかの書類選考落ちとなったKIT夢考房チーム。 しかし大学ロボコン班リーダー藤本拓也さんをはじめメンバー達は、『自分たちは、試合で負けたのではない』と、ロボットづくりの手を止めることはしませんでした。 そしてこの会は、彼らが完成させたロボットの実力をためす最後のチャンスだったのです。 ロボット製作に対する強い思いを藤本さんのインタビューでご紹介するとともに、競技交流会でKITチームがみせた見事な勝利をご覧いただきます。
NHKロボコンでのKIT夢考房チームの活躍に憧れたという石川さん。大分県からKITに進学後は、ロボカッププロジェクトに参加し、学生スタッフとしても夢考房を利用する学生たちのサポートをしてきました。 一方で4年次には、KITの交換留学プログラムを利用して半年間、ニューヨーク州にあるロチェスター工科大学に留学。 語学や文化を吸収するなど貴重な体験を重ねてきました。
手術時に医師の目の動きに連動して働く医療用ロボットの制御に取り組む石川さんを、米国への強い思いを持つきっかけとなったあるエピソードとあわせてご紹介します。
有機化合物に電圧をかけると発光するというEL(エレクトロ・ルミネッセンス)原理。これを利用した有機ELディスプレイは、次世代型ディスプレイの有力候補として注目されていますが、この有機ELを照明にも活かそうと研究している学生がいます。大学院2年・小柳貴裕さんです。彼は、現在、有機ELの発光効率をいかにあげるかというテーマに取り組み、照明分野での新しい可能性を追求しています。
北海道からKITに進学した小柳さん。授業や所属する三上研究室で鍛えられたプレゼンテーション能力や企業との研究は、彼自身の大きな成長につながり、松 下電工への就職もつかむことができました。最先端の研究に取り組む小柳貴裕さんをご紹介します。