大学院バイオ・化学専攻博士前期課程1年 安間俊哉さん。
大学では化学について学んでみたいと静岡県からKIT金沢工業大学に進学を決めた安間俊哉さん。学部3年次からは念願のクラスター研究室で研究を続けています。クラスター研究室とは学科横断型のチーム編成で、企業や地域の人たちと社会性のある課題にとりくむもので、安間さんのテーマは病院やホテルのリネンなどを扱う業務用洗濯機の排水浄化技術の開発です。環境にやさしくより衛生的にと、大澤・谷田研究室では、サケなどの魚類の白子からつくられる天然の抗菌物質、プロタミンに注目。また安間さんは、プロタミンをリネンに付与する抗菌処理についても取り組むなど忙しい毎日を送っています。
企業や他学科のメンバーから大きな刺激をうけながら研究に打ち込む姿をご紹介します。
機械工学科3年 山崎一樹さん。
太陽光をエネルギーに変えて走るソーラーカー。その8時間耐久レース「DREAM CUP ソーラーカーレース鈴鹿」が今年も開催されました。
山崎さんが大会リーダーをつとめるKIT夢考房ソーラーカープロジェクトの今年の目標は、92周。昨年の優勝チームの周回数です。この1年、その目標達成をめざしてさらなる軽量化や空気抵抗の軽減に取り組んできました。また、ソーラーカーの実用化にむけドライバーの安全性や快適性を重視したコクピットは、彼らのエンジニアとしての大きなこだわりで、多数の車両がひしめくコース内でもひと際目を引きました。
今年も夏の鈴鹿にソーラーカーが集う! 国際レーシングコースを走りぬいた「Golden Eagle」を、メンバーたちの様々な表情とともにご紹介します。
KITサマー・サイエンス・スクール特別篇 心理情報学科の学生たち。
子供たちに科学の楽しさを知ってもらいたいと、今年もKITサマー・サイエンス・スクールが開催され、実験やものづくり教室など19講座に500名の小中高校生が参加しました。
講座の一つ、心理情報学科の学生たち11名が担当した「香りと味の不思議体験」は、様々に香りを変えたクッキーづくりや、お気に入りの香料を使った香水づくりを通して、人間のもつ味覚と嗅覚の関係を探ろうというものです。クッキーに香りをつけることで味が変わったように感じたり、自分たちがイメージした香りとは違う香水が出来上がったりと、不思議の連続に子供たちからは驚きの声が上がっていました。子供たちの新鮮な反応や旺盛な好奇心は、学生たちにとっても貴重な経験になったようです。
学生たちと小学生が、クッキーと香水づくりでサイエンス体験! 今年もキャンパスに子供たちの歓声が響いたサマー・サイエンス・スクールを特別篇でご紹介します。
生命情報学科4年 原田大輔さん。
人々の健康への意識が高まりたくさんの情報が流れている中、医学や薬学の分野は専門的なことが多く、まだまだわかりづらい点が多いのが現状です。
原田さんは、一般の人々と医療や薬学の専門家をつなぐ橋渡しをしたいという希望がかなって、免疫疾患の臨床検査薬や遺伝子診断薬などの開発・製造をてがける企業に就職が決まりました。遺伝子分野からヒトの脳の解明まで幅広く学ぶことができるKITを知り、北海道から進学。2年次から研究室活動に参加するなど積極的に取り組んできました。現在は、「がん細胞を増やす遺伝子の働きを『RNA干渉』を利用して抑制させる」というテーマで研究をすすめています。
大学で学んだことをいかして、人々が健康に生活できる環境づくりをサポートしたいという原田さんをご紹介します。
建築都市デザイン学科4年 土本 季明さん。
能登半島地震から4ヶ月。輪島市門前町の總持寺祖院で、7月、復興への願いをあかりに込めた「光の回廊in總持寺」が開催されました。これは、境内や大伽藍などを1万個のろうそくや光のオブジェで演出し、被災地の人々に癒しと希望の光でエールを送ろうというものです。
金沢工業大学の建築系の学生からなる月見光路プロジェクトのメンバーたちもこの幻想的な空間づくりに参加し、リーダーの土本さんを中心に、荘厳なイメージを壊さずに新たな魅力を光で表現したいと取り組んできました。夏の一夜、光が創り出した見事な空間は、訪れた大勢の人々の心にも優しい灯りをともしたに違いありません。
「光の回廊in總持寺」を支えた学生たちの様子を美しい映像とともにご紹介します。
大学院建築学専攻博士前期課程1年 穂苅英樹さん。
白山市白峰地区の古民家を利用した「雪だるまカフェ」がこの春オープンしました。これは、地元の有志が中心となって明治時代初期に建てられた古民家を再生し、地域の交流拠点にしたいと整備したものです。
このまちづくりの取り組みにKIT建築都市デザイン学科・谷研究室の学生たちも参加しています。穂苅さんは、彼らのリーダー的存在。現地見学からはじまり、図面起こしなど文化財としての価値も視野にいれながら何度も調査を重ねていきました。2月には白峰恒例のイベントとなっている雪だるままつりにも参加し、地域の人たちとの交流を深めました。
暑い夏にひとときの清涼感。たくさんの愛らしい雪だるまの映像も織り交ぜながら、専門家や地域の人たちとともにまちづくりプロジェクトに関わる穂苅さんたちの様子をご紹介します。
ロボティクス学科2年 按田翔悟さん。
「NHK大学ロボコン2007」で、悲願の初優勝を果たしたKIT夢考房ロボットプロジェクトチーム。圧倒的な勝利に大きく貢献したのが、手動マシーンを担当した按田さんです。自らが設計したマシーンを見事に操りながらの得点シーンは、観客の目を大いに引きました。
NHKロボコンに出場するためにKITに進学。嬉しい初優勝に続き、次は8月、ベトナム・ハノイで開催される世界大会「ABUアジア・太平洋ロボコン」出場に向けて胸を高鳴らせています。
国を代表するアイデアロボットたちに会えるのが楽しみという按田さん、赤いメガネでコート中を走りまわる姿を彼のロボットに対する熱い思いとともにご紹介します。
ロボティクス学科4年 谷本裕さん。
先月東京で開かれた「NHK大学ロボコン2007」で、KIT夢考房ロボットプロジェクトが、悲願の初優勝を果たしました。昨年の新チーム結成時、「圧倒的な勝利をめざす」と宣言したプロジェクトリーダー谷本さん。その言葉通り決勝トーナメントでは3試合とも見事な完封勝利!大量得点で圧倒的な強さを見せつけました。
次はいよいよ日本代表として、8月、ベトナム ハノイで開催される「ABUアジア・太平洋ロボコン」に出場します。目指すは、もちろん優勝。そして2002年に先輩たちが受賞したロボコン大賞です。
嬉しい初優勝を手にした夢考房ロボットプロジェクトチームを、今大会にかけるリーダー谷本さんのさまざまな思いとともにご紹介します。
航空システム工学科4年 近藤雅人さん。
夢考房人力飛行機プロジェクト。彼らの機体の名は、復活や逆転の意味をもつ「Reversion」。7月末、琵琶湖で開催される鳥人間コンテストに、3年ぶりに出場を決めました。こだわり続ける二重反転プロペラ・先尾翼機に、今年度は駆動効率をあげるためのドライブシャフトやさまざまなハイテク機器を搭載。
しかし重量わずか46kgの機体は、岐阜県高山市飛騨エアパークで行なわれたテストフライトで、予期せぬアクシデントに見舞われました。
コンテストまであと10数日。プロジェクトリーダー近藤さんのコメントをまじえながら、名前通り「逆転」をめざし、必死に作業を続ける総勢50名に及ぶメンバーたちの表情を追いかけます。
大学院環境土木工学専攻博士前期課程2年 東洋輔さん。
コンクリートの世界も、今や「スクラップ&ビルド」から、いかに長く使っていけるかという「メンテナンスとリサイクル技術」が求められるようになってきました。東さんは、劣化の主な原因である塩害について着目。中でも、一般の鉄筋コンクリートよりも強度が高い『プレストレストコンクリート』について研究しています。プレストレストコンクリートとは、鋼材によってコンクリートにあらかじめ圧縮力を与えた鉄筋コンクリートのことで、ひび割れしにくいのが特長ですが、塩害による鉄筋腐食の劣化予測はまだ明らかになっていません。土木構造物のおよそ7割に使用されているというプレストレストコンクリートの安全基準が確立されれば、補修などの大幅な効率化が期待できるはずです。
大学院機械工学専攻博士前期課程1年 村岡祐輔さん。
機械の故障箇所を調べる方法として、機械が発する騒音に着目して研究に取り組んでいる学生がいます。村岡さんは、これまで熟練した技術者の知識と勘にたよることが多かった騒音源の位置を高精度に検知できる方法として、自ら作り上げた装置とMUSICアルゴリズムを応用した手法で突き止めようとしています。今は研究をスムーズに進めるための装置づくりの段階ですが、将来的には、音から故障の原因までを特定できればと思いをめぐらせています。人々の生活環境が豊かになるようなものを設計・開発するのが夢という村岡さん。
匠の技に迫るシステムの開発に日々取り組む村岡祐輔さんの登場です。
建築都市デザイン学科4年 山上直哉さん。
山上さんの気になる建築家は、安藤忠雄。コンクリート打ちっ放しの住宅や商業施設などを次々と発表している世界的建築家の一人です。それら現代建築物と周辺環境がみごとに一体となった空間づくりは、山上さんがめざす世界でもあるのです。
小学校6年生のときに実家を新築。落書きのように描き始めた設計図が形となった嬉しさは、彼を建築の道へと誘いました。高校で住環境など環境全般を学び、KIT建築都市デザイン学科に入学した山上さん。この春、日本有数の設計組織グループに就職が決まりました。
『建築は、住む機能を備えた芸術作品』という山上さん、彼の建築に対する思いや高い評価を得てきた課題作品などをご紹介します。
大学院機械工学専攻博士前期課程1年 田口宣さん。
携帯電話など小型部品の需要が高まるにつれ、それらを加工する機械も小型化が求められています。KIT機械工学科・加藤研究室と地元工作機械メーカーは、小さくてもろい材料を高能率・高精度で加工できる小型加工機の開発に成功し、5月に開催された機械工業見本市「MEX金沢2007」に出品しました。この加工機のプレゼンターの一人として参加していたのが、田口さんです。
工具の直径は髪の毛のおよそ1/3、回転速度毎分15万回転という小型加工機が見せる技!をご覧頂きながら、携帯電話の基板加工の研究に取り組む田口さんをご紹介します。