大学院バイオ・化学専攻博士前期課程1年 安間俊哉さん。
大学では化学について学んでみたいと静岡県からKIT金沢工業大学に進学を決めた安間俊哉さん。学部3年次からは念願のクラスター研究室で研究を続けています。クラスター研究室とは学科横断型のチーム編成で、企業や地域の人たちと社会性のある課題にとりくむもので、安間さんのテーマは病院やホテルのリネンなどを扱う業務用洗濯機の排水浄化技術の開発です。環境にやさしくより衛生的にと、大澤・谷田研究室では、サケなどの魚類の白子からつくられる天然の抗菌物質、プロタミンに注目。また安間さんは、プロタミンをリネンに付与する抗菌処理についても取り組むなど忙しい毎日を送っています。
企業や他学科のメンバーから大きな刺激をうけながら研究に打ち込む姿をご紹介します。
情報工学科2年 谷内勇太さん。
1月、金沢市内の小学校で行なわれた環境問題をテーマした模擬授業。教壇に立ったのは、谷内さんたち5名です。
KITでは2年次の必修科目に「工学設計Ⅱ」があります。これは、5,6名でチームを組み、自分たちで選んだテーマについて解決策を提案していくもので、谷内さんたちは、子供たちにゴミへの関心を高めてもらおうと小学校での授業を企画。学校との交渉から内容の提案まですべて学生たち自身ですすめてきました。当日は、初めは緊張したものの子供たちの反応も良く、とても貴重な経験になったといいます。
小学4年生を前に授業を行なう様子をご紹介するとともに、ポスターセッションを前にした教室内での最終口頭発表の様子などを、谷内さんのインタビューをまじえてご紹介します。
建築学科4年 松川千里さん。
2年次の時に目にした写真集の表紙が、将来の方向を決めるきっかけとなりました。そこに写っていたのは、全面ガラス張りのドーム。これまで松川さんが持っていたガラスのイメージが一変し、ガラスについてもっと学びたいと環境設備を専門とする垂水研究室に進みました。
卒業を前に友人と取り組んでいる研究は、オフィスビルの省エネや熱環境改善を実現する手法の一つであるダブルスキンシステムについて。これはガラスとガラスの間に通気できる空気層があるのが特長で、松川さんたちは、ガラスの種類によってダブルスキン構造が室内に与える影響などを検証しています。
新丸の内ビルや中部国際空港を手がけたYKKAPに就職を決めた松川さん。環境に優しく、人の心に残る建物に関わっていきたいという彼女を美しいガラス建築物とともにご紹介します。
大学院電気電子工学専攻博士前期課程2年 中田勝志さん。
この春、三菱電機に就職する中田さん。2人の大切な存在が、彼の支えとなっています。一人は、電気工事士として働く父。現場で働く父の姿は子供心にかっこよく、中田さんを電気の世界へと誘いました。
もう一人は、KIT4年次に出会った研究室の先輩。強い信念をもって日々懸命に取り組んでいた姿は、彼に、「先輩に少しでも近づきたい」という気持ちを喚起させたのです。
大学院進学後は、放電を応用した研究で国際学会に参加するなど積極的に研究に取り組んできました。KITでの出会いや経験が自分を大きく成長させたと話す中田さんをご紹介します。
大学院電気電子工学専攻博士前期課程2年 坂本龍朗さん。
インターンシップの経験が将来の自分をイメージづけてくれたという、坂本さん。彼はこの経験によって生まれた、モノを作り出す研究・開発の道に進みたいという強い気持ちで学生生活を過ごしてきました。
集大成の研究は、『超高感度型の磁気センサー』。生体から発生する微弱な磁場を検知することを目標として開発中で、その用途は医療・工業分野など幅広く、しかも小型で安価という利点が各界から大きな注目を集めています。
春からの新しいステージ、東芝でもたくさんの人に喜んでもらえるようなモノづくりをめざしていきたいという坂本さん、なりたい自分に向かって日々努力を重ねてきた坂本さんをご紹介します。
大学院機械工学専攻博士前期課程2年 田口剛さん。
私たちの生活を支えているものの材料として最も身近な鉄。この鉄に魅せられ、より質の高い鉄を作り出そうと研究している学生がいます。田口剛さんです。彼は、鉄を板や棒状に引き伸ばす圧延加工の際に問題となる「酸化膜の生成」について全く新しい発想からアプローチし、問題解決への糸口をつかみました。
春からは、念願の新日鉄で第一歩を踏み出す田口さん。ナンバー1の技術を生み出したいと大きな夢を描いています。
常に目的意識をもって学生生活を送ってきたという田口さんを、国際会議でも注目を集めたオリジナル手法とあわせてご紹介します。
大学院機械工学専攻博士前期課程2年 青木俊介さん。
世界を結ぶ輸送機の需要がますます増えている中、その根幹となる「飛行機を安全に飛ばす」ことを考えた研究に取り組んでいるのは、青木さんです。
青木さんは、飛行機や車、バイクに興味をもち、モノづくりがしたいとKITに進学。現在、航空システム工学科の片柳教授のもとで、飛行中にパイロットに何らかのアクシデントが起こった場合、パイロットにかわって操縦するロボットの研究をしています。しかも飛行機のシステムと独立させることで、小型飛行機など機種を選ばずに利用できるというものです。
最新技術の結集である飛行機の安全性確保の研究に取り組み、この春から、エンジニアとして新たなスタートをきる青木さんをご紹介します。
航空システム工学科4年 川井陽子さん。
子供の頃から大空に憧れ、KITで飛行機について学んだ川井さん。彼女は、当時設置されたばかりの航空システム工学科に入学。
一方で夢考房人力飛行機プロジェクトに参加して仲間たちと充実した日々を送ってきました。2007年夏、琵琶湖で開催された「鳥人間コンテスト」では、チームベスト記録に次ぐ552mを飛行。卒業を前に、とても思い出深い大会となりました。そして学びの集大成は、「羽ばたき飛行機」の研究に取り組んでいます。いわゆるトンボや鳥のように翼を羽ばたかせて飛ぶ飛行機で、そのしくみはまだまだ謎が多いといいます。
4年間、まさに飛行機とともにあった川井さんをご紹介します。
機械工学科4年 薩川幸一さん。
「4年間はあっという間。またモノづくりがしたい」と話す薩川さん。高校時代から1リットルのガソリンでどれだけ走るか挑戦するエコランの製作に携わり、KIT進学後も夢考房エコランプロジェクトの中心メンバーの一人として活動してきました。ドライバーを務めた2005年の「スーパーマイレッジカーチャレンジ広島」では、チームベストとなる燃費2487kmを記録。
さらに新型車輌の開発にも取り組み、2007年秋には学生初の自作エンジン搭載車輌で、一般も参加する「ホンダエコノパワー燃費競技全国大会」ニューチャレンジクラス優勝を果たしました。
来春は念願だった地元静岡県の鋳造メーカーに就職する薩川さん。薩川さんの感動のインタビューを放送します。
大学院情報工学専攻博士前期課程2年 宮下和也さん。
見知らぬ土地で新しいことにチャレンジしてみたいと、北海道からKITに進学した宮下さん。彼は入学後、加賀藩の伝統を受け継ぐ古武術で、KITにしかない「正伝長尾流躰術部」に入部し鍛錬をつづけてきました。その一方で情報系を専門に学び、今は学びの集大成となる画像処理の研究に没頭する毎日です。
故郷を離れてその良さを実感したという宮下さん。春からは念願のJR北海道が彼の新しい舞台となり、KITで学んだ知職をいかして地元に貢献できればと夢を抱きます。
道場で仲間たちと汗を流す姿、パソコンを前に研究に取り組む様子と、まさに静と動の宮下さんをご紹介します。
ロボティクス学科3年 小林誠さん。
ロボットが実環境の中で自分自身で考えて動く技術の追求をめざした「つくばチャレンジ」。国内初のこの走行実験に、KIT夢考房自律走行車プロジェクトも参加し、見事、1Km走行の課題をクリアしました。
リーダーの岩崎 健吾さんとともに2006年にプロジェクトを立ち上げた小林さん。今回の大会は、高いハードルを越えるための一つの通過点と言い、目標に向かって気持ちを新たにしていました。プロジェクトがめざす最終目標とは?
つくばチャレンジに登場したロボットたちとともに、彼らが作り上げた愛らしいロボット!に隠れる最先端技術を小林さんのインタビューでご紹介します。
ロボティクス学科3年 岩崎健吾さん。
11月、茨城県つくば市で行なわれた「つくばチャレンジ」。国内では初めて、自律型知能ロボットによる公道での走行実験です。33チームがエントリーした中に、昨年発足したばかりの夢考房自律走行車プロジェクトの姿もありました。人の操作にたよらず、カメラによる画像認識やセンサーなどによって、自動的に障害物を避けて目的地まで走る自律走行車。
モノづくりがしたくてKITに進学したリーダーの岩崎さんは、友人たちと一緒にこのプロジェクトを立ち上げました。予選にあたる初日を含め、1kmの本走行でも順調な走行をみせていた夢考房チーム。果たしてその結果は?
夢考房チームに迫る第1弾、報道機関も注目する中で行なわれた本走行の模様を岩崎さんたちの表情とともに追いかけます。
環境土木工学科4年 内藤友貴さん。
土木というと、道路やダムなど実際の構造物の建設システムに携わるイメージが強いですが、それらが造られることによって街や人々の環境がどう変化するのかを事前に考えていくことも重要な分野の一つです。
内藤さんが取り組んでいる研究は、建物や街を3次元モデルで再現することによる景観シミュレーションについて。これは、都市計画はもちろん、街の変遷や災害時の復興にも有効な技術です。
KITで学んだ知職を、来春からの新しいステージとなるJR西日本でいかしていけたらという内藤さん、環境土木工学科の新しい魅力を授業風景やインタビューを交えてご紹介します。